全米野球記者協会 シリングの要請を拒否する立場を表明

ダイヤモンドバックスなどで活躍したカート・シリングは9度目の挑戦となった2021年度のアメリカ野球殿堂入り投票で16票不足に終わったあと、次回の投票対象から自身を除外することをアメリカ野球殿堂に要請した。これに対して殿堂入りの投票権を持つ全米野球記者協会は声明文を発表し、「シリング氏の要請はルール違反である」との見解を示し、シリングの要請を受け入れないことをアメリカ野球殿堂に求めている。

全米野球記者協会の書記・会計を務めるジャック・オコンネルは声明文のなかで全米野球記者協会の立場を以下のように説明した。

「シリング氏による投票用紙からの削除要請は、アメリカ野球殿堂の理事会が定めたルールに違反しているというのが全米野球記者協会の見解です。選考委員会の役割は【1】前回の投票で5%以上の得票率を獲得した候補者、または【2】新たに投票対象となって6人の選考委員のうち2人から推薦された候補者をアルファベット順に記載した投票用紙を作成することです」

「シリング氏は両方の条件を満たしているため、彼の最後の投票となる2022年の投票対象に残るべきです。アメリカ野球殿堂は1936年に全米野球記者協会を有権者に指定し、我々は85年間ルールを守ってきました。今後もそうしていく必要があります。よって、全米野球記者協会は理事会に対し、シリング氏の要請を拒否することを強く求めます」

シリングは差別的または政治的な言動が問題視されており、今月上旬の連邦議会襲撃事件のあとには乱入者を擁護するようなコメントを出していた。それを受けてシリングへの投票を取り消すことを求めた記者が複数いたことも報じられており、シリングは自身の殿堂入りの可否を記者投票に委ねたくないと考えているようだ。

元選手などで構成させるベテランズ委員会に判断を委ね、ベテランズ委員会で殿堂入りに値すると判断されれば「敬意を表してそれを受け入れる」つもりだというシリング。投票用紙からの削除要請に対し、アメリカ野球殿堂はどのような判断を下すのだろうか。

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