レッドブルが望むF1エンジン凍結案、投票に至らず。フェラーリが態度保留か

 F1エンジン開発凍結についての投票が1月25日に実施される予定だったが、さらに議論が継続されることになり、決定が先送りされたようだ。

 ホンダがF1パワーユニット(PU/エンジン)マニュファクチャラーとしての活動を2021年末で終了することを決めたため、レッドブル・レーシングとアルファタウリは2022年以降のパワーユニットを新たに決めなければならない。元パートナーのルノーは、今年からアルピーヌチーム以外カスタマーを持たないため、レギュレーションにより、彼らからの供給は保証される。しかしレッドブルは、ホンダのパワーユニットの知的財産権を取得し、自身でこれを使用していくことを望んでいる。

 それを可能にするため、レッドブル首脳陣は2022年から次世代エンジンが導入される2025年か2026年までの間は、開発を凍結するという規則の導入を求めている。これに関する投票がFIA、F1、チーム、エンジンマニュファクチャラーの間で今週月曜に行われるものとみられていたが、投票が延期されたことが分かった。

 レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは、『MOTORSPORT MAGAZIN.COM』に対し、「(先週)金曜には存在していた合意が月曜にはなくなってしまった」とコメントしている。
「これからさらに議論と交渉が行われる」

『MOTORSPORT MAGAZIN.COM』によると、投票は早くても次回F1コミッション会合が行われる2週間後になる可能性が高いということだ。

 フェラーリは、次世代エンジン規則の導入が2026年から1年前倒しになり2025年になる場合のみ、2022年からの開発凍結に同意する意向であり、まずは次世代エンジンについての詳細を確認することを望んでいる。

2020年F1第14戦トルコGP シャルル・ルクレールとセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)

 2022年型マシンの設計作業を考えると、レッドブルにとってはできる限り早く規則が決定することが望ましいが、他のエンジンマニュファクチャラーであるフェラーリ、メルセデス、ルノーはそれほど急ぐ必要がない。そのために決定が遅れることをマルコは恐れているものの、「フレキシブルに行動する。今もポジティブに考えている」ともコメントしている。

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