楽天にレジェンド・田中将大が復帰 有形無形の影響力で〝ストップ・ザ・ホークス〟の一番手に浮上

2013年、チームを日本一に導いた田中将大

楽天は28日、球団OBでヤンキースからFAとなっていた田中将大投手(32)が2013年以来、8年ぶりにチームに復帰すると発表した。

この日までに契約が基本合意したもので背番号は入団から7年間背負った「18」に決まった。

球団レジェンドの8年ぶりの復帰で楽天が〝ストップ・ザ・ホークス〟の1番手に急浮上しそうだ。

昨年、自身4度目の最多勝に輝いた涌井に岸、則本と4球団競合の末、楽天がクジを引き当てたドラフト1位左腕・早川に田中が加わった先発ローテーションは王者・ソフトバンクに見劣りしないグレードアップとなる。

確かに、今年11月に33歳となる田中には24勝無敗の成績で球団を初の日本一に導いた最盛期、13年シーズンとは投球スタイルも違えば、衰えたのではという批判もあるだろう。

しかし、それでも厳しいア・リーグ東地区の名門・ヤンキースで7年間、先発ローテーションを守り78勝を挙げてきたバリバリのメジャーリーガーの帰還である。

本紙評論家の大友進氏は「田中がローテーションに入っただけで自チームと相手チームに与える影響が全く違う」とし、こう続けた。

「2015年に40歳で広島に復帰した黒田と比べると7歳も若い。おまけに前年までヤンキースのローテーションを守っていたバリバリのメジャーリーガーですよ。モノが違うし正直、まだ日本では見たくなかった。コントロールの精度はいうまでもなく、田中の一番の武器は勝負どころで打者を圧倒する気持ちの強さ。マウンドであれだけの集中力と気持ちを見せられるピッチャーは今の日本球界にはいない。その威圧感だけで相手は精神的に劣勢になり、味方はこれ以上ない勇気をもらえる。衰えたといっても、四球で自滅するようなピッチャーではないし、やはり投手としてのグレードが違う」

田中がケガなく、無事にローテーションで回ってくれるだけで有形無形の好影響がチームにもたらされることはまず間違いのないところ。今年のパ・リーグは思わぬ英雄の帰還で王者・ソフトバンクの一人旅とはいきそうにない状況が発生したようである。

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