田中が楽天復帰 先発投手の高額複数年契約皆無の市場も影響か

日本時間1月28日、東北楽天ゴールデンイーグルスはヤンキースからフリーエージェントとなっていた田中将大が2013年以来8年ぶりにチームに復帰することを発表した。田中は昨季限りでヤンキースとの7年1億5500万ドルの長期契約が終了。メジャー7年間で通算78勝を記録し、ポストシーズンには5度出場して5勝を挙げた。ヤンキースは年俸総額がぜいたく税の対象ラインに迫っており、田中と再契約する可能性はほぼ消滅していた。

田中が楽天復帰を決断した背景には、先発投手の移籍市場の低調さもあったとみられる。今オフ、年平均1500万ドル以上の契約を結んだ先発投手は3人。このうちマーカス・ストローマン(メッツ)とケビン・ゴーズマン(ジャイアンツ)は年俸1890万ドルのクオリファイング・オファーを受諾しており、市場に出た投手ではブレーブスと1年1500万ドルで契約したチャーリー・モートンただ1人である。

金額を年平均1000万ドルまで下げると、該当する人数はもう少し増えるが、いずれも1年契約であり、年平均1000万ドル以上の複数年契約を手にした先発投手は1人もいない。今後、トレバー・バウアーは当然として、ジェイク・オドリッジやタイワン・ウォーカーがそうした契約を手にする可能性はあるが、トレードで先発投手の補強を終えている球団も多く、田中が希望通りの契約を得られる見込みは薄かった。

新型コロナウイルスの影響によって各球団が補強に使える資金が限られ、トレード市場が活発になる一方でフリーエージェント市場が低調だったことが田中の楽天復帰を後押しする要素の1つとなったことは間違いなさそうだ。

◆年平均1000万ドル以上の契約を得た先発投手
マーカス・ストローマン(メッツ)1年1890万ドル※
ケビン・ゴーズマン(ジャイアンツ)1年1890万ドル※
チャーリー・モートン(ブレーブス)1年1500万ドル
ドリュー・スマイリー(ブレーブス)1年1100万ドル
コリー・クルーバー(ヤンキース)1年1100万ドル
ギャレット・リチャーズ(レッドソックス)1年1000万ドル
※はクオリファイング・オファーを受諾

◆参考:複数年契約の最高額
マイク・マイナー(ロイヤルズ)2年1800万ドル

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