千賀、柳田の〝大黒柱〟出遅れ…楽天・田中復帰の裏で危機感募るソフトバンクの船出

監督コーチ会議に出席した工藤監督(右)と小久保ヘッド(球団提供)

ソフトバンクは28日、ペイペイドームで監督・コーチ会議を開き、宮崎春季キャンプのメンバー振り分けを発表した。投打の軸である千賀滉大投手(27)と柳田悠岐外野手(32)がリハビリ組、周東佑京内野手(24)がB組スタートとなった。千賀は両ふくらはぎのコンディショニング不良、柳田は両アキレス腱のコンディショニング不良のため。右肩の状態が万全ではない周東は、B組から練習強度を上げていく方針だ。主力が多いA組には、増田珠内野手(21)が4年目で初めて入った。

例年は若手のサプライズ抜擢が注目を集めるが、今年は主力の出遅れを懸念せざるを得ない発表となった。工藤監督は千賀、柳田については無理をさせず完治優先の方針を強調。2人のキャンプ中の本隊合流を含めた今後については「今の時点では分からない。憶測で話すことは難しい。経過をトレーナーに聞いていきながら、タイミングは計っていきたい」とした。

球春到来の2月1日、投打の主軸が揃ってA組にいないことに、指揮官は率直な思いも明かした。「正直、若い人たちの手本になってほしいという部分はある。彼ら自身も一生懸命やった中でのこと。彼らにはいい調整をしてもらって、本当に開幕に間に合うように頑張ってもらいたい」。ともに周囲に好影響を与える絶対的存在。ゆえに不在は痛いが、プロフェッショナルな野球人としての信頼は変わらず「3・26」に向けてメッセージを送った。

ムーアが退団し、昨年の開幕投手を務めた東浜もリハビリ組スタート。開幕投手候補筆頭だった千賀と代えの利かない主砲・柳田の出遅れは気になるところだ。「楽天・田中復帰」が決まり、ライバルの包囲網も狭まる。危機感の中で、鷹の5年連続日本一に向けた戦いが始まる。

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