郵便配達員がメジャー契約獲得。TikTokに投稿した水夫の労働歌が大ブレイクしたことを受けて

船乗りたちの労働歌(Sea Shanty)を歌いTikTokでセンセーションを巻き起こしたスコットランドの郵便配達員、ネイサン・エヴァンス(Nathan Evans)がUKのメジャーレーベルのPolydorとレコード契約を結んだ。

2020年末にTikTok上で大流行した「Wellerman」のオリジナル・ヴァージョンのほか、220 Kid & Billen Tedによるダンスリミックスは2021年1月21日にリリースとなった。

<動画:大ヒットを受けてUKで放送されたCM映像

2020年12月27日、ネイサン・エヴァンスは19世紀の船乗りたちの労働歌「Wellerman」を歌う自身のモノクロ動画をTikTokにアップした。印象的なアカペラは、多層的なボーカルとシンプルなビートが特徴的だった。エヴァンスは、数ヶ月前から船乗りが仕事のペースを維持するために歌っていたこの伝統的労働曲を投稿していたが、この「Wellerman」の動画がTikTokにて新たな熱狂を生み出した。

ローナン・キーティング、ゲイリー・バーロウ、アンドリュー・ロイド・ウェバーなど、音楽界の大物スターたちがSea ShantyとTikTokをあわせた「ShantyTok」のトレンドを取り入れ、他にもプロからアマチュアミュージシャンまで、エヴァンスとTikTok上で様々な疑似デュエットを披露し、エヴァンスのオリジナルビデオは、プラットフォーム上で700万回以上視聴されている。

この曲の人気は高まり続けており、ブリストルを拠点とするフォークグループThe Longest Johnsが2018年に発表していた「Wellerman」はUKと世界のSpotifyバイラルチャートのトップに立ち、UKのメジャーレーベルであるDeccaと契約。最新のUKシングルチャートでは37位に登場している。

1月21日に配信されたネイサン・エヴァンスのオリジナル・レコーディングである「Wellerman」はUKのiTunesで1位、USでのiTunesでは5位、220 Kid & Billen TedによるダンスリミックスもUKのiTunesでオリジナルに次いで2位と大ヒットを記録。最近では音楽活動に専念するために郵便配達の仕事を辞めたエヴァンスは、世界中のメディアを賑わせている。

ネイサン・エヴァンス

インデペンデント紙とのインタビューで、エヴァンスは2020年1月から自身の表現の場としてTikTokに動画をアップロードし始めたことを話している。しかし、新型コロナウイルスの流行が拡大し、全国的なロックダウンが実施されたとき、彼はそれを自分の才能を磨く機会と捉えたという。「僕は8歳の頃からギターを弾いていて、常に音楽に情熱をそそぎ、常に私の夢でした」と彼は語っている。

好きなアーティストにダーモット・ケネディとルイス・キャパルディを挙げているネイサン・エヴァンスは、今後のことについてこう語る。「もうすぐ良い曲が何曲か出るはずです。僕も自分の曲や音楽を書いているけど、皆さんは船乗りたちの労働歌(Sea Shanty)が好きで、それがそれなりの喜びをもたらすなら、僕はそれを続けることは気にしません。音楽は僕にとって絶対的な情熱なんです」。

Written By Sophie Smith

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ネイサン・エヴァンス「Wellerman」
2021年1月21日発売

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