菅首相の独担当相・田村厚労相ご指名に波紋 自民混迷「自身で政権の首を絞めている」

田村憲久厚労相

菅義偉首相(72)が、元「SPEED」メンバーで、自民党の今井絵理子参院議員(37)ら有志による「孤独対策勉強会」(呼びかけ人・鈴木貴子衆院議員)の存在を知ってか突然、国会で田村憲久厚労相(56)を〝初代・孤独担当相〟に指名し、党内に波紋が広がっている。

新型コロナウイルスの影響で孤独問題が深まるなか、28日の参院予算委員会で、事前の根回しがない状況で菅首相から指名された田村氏は「えっ!」と驚きの声を上げた。

「田村さん、孤独担当だそうです」と野党議員に振られると「確かに厚労相は、孤独も含め、困っている方々に対応するということだ。孤独問題にもしっかりと取り組んでいく」と、困惑の表情を浮かべて説明した。

厚労相は新型コロナ対策に加えて社会保障・社会福祉、労働問題など多様な分野を担当する。これに孤独問題を加えると「いまの組織体制では対応できないだろう」(霞ヶ関の関係者)。

ネット上では、菅首相に対して「お得意の行き当たりばったりだ」「完全にいかれていますね」と批判の声が数多く上がっている。

思いもよらぬ反響に自民党関係者は、頭を抱えてこう打ち明けた。

「ベテラン議員は菅総裁にカンカンです。『ご自身で、自分の政権の首を絞めている』と。仮に次の組閣があっても、実現が難しいでしょう」

しかし、同勉強会を発足させた自民党の若手議員からは、早ければ来月下旬にも孤独対策問題への提言をまとめ上げて菅首相に申し入れるとあって、肯定的に受け止められている。

「勉強会の孤独対策に関する提言が、次期衆院選で自民党の公約になる可能性が強くなりました」(自民党議員秘書)

党内の混乱は続きそうな雲行きだ。

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