邪気払うカナガシラ 節分の縁起物、水揚げピーク 長崎魚市場

節分の縁起物とされるカナガシラ。威勢のいい掛け声が響く中、仲買人が競り落としていった=長崎市、長崎魚市場

 今年の節分の日は、例年より1日早い2月2日。この日に向け、食べると邪気を払う縁起物と長崎市などで言い伝えられているカナガシラが、同市京泊3丁目の長崎魚市場で水揚げのピークを迎えている。
 カナガシラは方言で「ガッツ」と呼ばれ、正面から見ると鬼の顔に似ている。漢字で「金頭」と書くことから、お金がたまる縁起物として煮付けなどにして食べる風習があるが、近年は魚食離れに加え、恵方巻きに押され気味という。
 それでも節分の時期に需要が高まり、取扱量と取引相場は上昇する。28日は40箱(1箱10キロ)を入荷。競り人の威勢のいい声が場内に響いた。
 長崎魚市総合企画部の片山耕部長(55)は「長崎特有の風習を引き継いでもらいたい。節分に食べてコロナという邪気も払ってほしい」と話した。

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