小田急は海外技術で踏切安全向上へ、新宿寄り踏切3か所でノキア製 AI による異常状態検知 実証実験

JR東日本のローカル線エリアが、衛星 GNSS と携帯 4G LTE で踏切制御・列車制御をめざせば、小田急は海外の先進技術の導入し、踏切異常状態検知へ。

小田急電鉄は、ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社が提供する、カメラ映像とAIによる異常状態検知システム「スペースタイムシーンアナリティクス」を使い、2月1日から6月まで、小田急小田原線 新宿1号踏切、南新宿3号踏切、代々木八幡1号踏切の3か所で実証実験する。

同実験は、交通量や踏切規模が異なる複数踏切の同時解析の有効性や、踏切動作前に踏切内で人が転倒した場合などの異常検知を検証し、実用化をめざす。

また、ノキアの「スペースタイムシーンアナリティクス」を国内鉄道の踏切に活用する取り組みは、世界初の試み。

実験現場の3か所は、新宿を出た電車がすぐに通過する交通量の多い新宿1号踏切、住宅街の生活道路と平面交差する南新宿3号踏切、代々木八幡駅ホーム西端の山手通り直下で複雑に平面交差する代々木八幡1号踏切と、それぞれに道路状況が異なる。

海外製 ノキアのカメラ映像とAI技術を採用

今回の実証実験は、踏切監視カメラの映像をスペースタイムシーンアナリティクスを活用して解析。

既存の踏切障害物検知装置での検知が難しい「人の動き」を適正に検知することで、踏切内の安全性をより高めていく考え。

踏切動作中に限り取り組んだ第1期 玉川学園前8号踏切(2020年2~3月実施)検証では、AIによる誤解析などのエラーも見られたいっぽうで、多くは期待どおりアラート動作をするなど、一定の成果が得られたという。

この検証結果を踏まえ、より実用化に近づけるべく取り組む今回の第2期では、AIの解析素材の取得と並行して、交通量や規模の異なる複数踏切の同時解析による集中管理や、踏切動作前の踏切内で人が転倒するなどの異常検知についても検証していく。

今回の第2期 実証実験を通じ小田急は、将来的に、AIによる解析結果を使い、付近を走る列車を自動停止できる仕組みを構築していくという。

© 株式会社エキスプレス