初日トップはチップ・ガナッシの01号車キャデラック。小林可夢偉はクラス25人中5番手タイム/デイトナ24時間

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦、デイトナ24時間レースは1月28日にフロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでレースウイークが開幕。走行初日は3本のプラクティスセッションが行なわれ、キャデラック・チップ・ガナッシ・レーシングの01号車キャデラックDPi-V.Rが3セッションを通じた最速タイムをマークした。

 1月22〜24日に開催された公式テストおよび予選レースから3日間のインターバルを挟み、木曜日からレースウイークの走行が始まったデイトナ24時間。11時05分から60分にわたって行なわれたプラクティス1はドライ、気温13度/路面温度15.5度というコンディションでスタートした。

 このセッションでは、01号車キャデラックのランガー・バン・デル・ザンデが1分34秒649でトップタイムをマークする。以下、DPiクラスは2番手にウェーレン・エンジニアリング・レーシング(アクション・エクスプレス・レーシング)の31号車キャデラック、3番手にマツダ・モータースポーツの55号車マツダRT24-Pと続いた。

 15時20分からの75分間のセッション2では、マイヤー・シャンク・レーシングの60号車アキュラARX-05、AJ.アルメンディンガーが1分34秒287にまでタイムを詰めてトップに。これに続いたのは、アリー・キャデラック・レーシング(アクション・エクスプレス・レーシング)の48号車キャデラックをドライブする小林可夢偉だった。3番手タイムは01号車キャデラックがマークしている。

セッション2でのトップタイムをマークしたマイヤー・シャンク・レーシングの60号車アキュラARX-05

 夜間走行となるセッション3は、19時15分からの1時間45分間。ここでは再び、01号車キャデラックがトップタイムを奪う。バン・デル・ザンデがマークした1分34秒146が、この日の全体ベストタイムとなった。2番手にコニカミノルタ・アキュラARX-05(ウェイン・テイラー・レーシング)10号車アキュラが続き、3番手は31号車キャデラックというオーダーに。

 なお55号車マツダRT24-Pは、予定されていたエンジン交換作業のため、例年と同じくこのナイトセッションのほとんどをスキップ。終了間際にインスタレーションラップのみを行なっている。

 初日を終えた段階で小林可夢偉は、DPiクラスの25人中5番目となるタイムをマーク(セッション2のベストタイム)。48号車陣営としても可夢偉がマークしたものがベストタイムで、全体の4番手につけている。

小林可夢偉もラインアップに加わる48号車キャデラックDPi

 3セッション通算でLMP2クラスはPR1マティアセン・モータースポーツ52号車オレカ07のミケル・イェンセン、LMP3はライリー・モータースポーツ91号車ヨーレン・ブリークモレン、GTLMはコルベット・レーシング4号車シボレー・コルベットC8.Rのニック・タンディ、GTDはGRTグラッサー・レーシングチーム111号車ランボルギーニ・ウラカンGT3のマルコ・マペッリが、それぞれクラストップタイムをマークしている。

GTLMクラスで初日トップタイムをマークした4号車シボレー・コルベットC8.R

 なお、GTDクラスのライト・モータースポーツ16号車ポルシェ911 GT3 Rではドライバー変更があった。ライアン・ハードウィックが水曜日に行なわれたIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジのプラクティスでのアクシデントにより脳震盪を起こしたことから、残りのレースウイークへの出場を取りやめ、代わってトレント・ハインドマンがマシンに乗り込んでいる。

走行初日、プラクティス1〜3までの総合リザルト(PDF)

■初挑戦のロバート・クビサ、将来のさらなるLMP2参戦を望む

 LMP2クラスのハイクラス・レーシングから参戦するロバート・クビサは、以前にドバイ24時間レースに参戦した経験を持つものの、今回のデイトナ24時間が「耐久レースへの初めてのアプローチ」と語る。

 クビサは走行初日、LMP2ドライバー全40人中の8番手となるタイムをマークし、ハイクラス・レーシング20号車オレカ07をクラス5番手につけている。

 クビサはデイトナ以外のレースへの出場計画について、「明確になっていることは何もない」と語った。

 GT3マシンへと切り替わるDTMについては、マシンに慣れる時間を要するという観点から、彼のアルファロメオF1におけるリザーブドライバーとしての役割と折り合いがつかないという。クビサ自身は将来もLMP2でレースをしたいと認めている。

「昨年、COVID-19の影響によって起こったこと考えると、ふたつのプログラムを組み合わせて実行するのは困難だ。僕はすでに自分が持っている役割、つまりF1について妥協をしたくない。でも、LMP2は僕の主なターゲットであり、可能ならばレースをしたいカテゴリーだ」

クビサがラインアップに加わるハイクラス・レーシング20号車オレカ07

■マツダのオリバー・ジャービスが『三味線疑惑』にリアクション

 デイトナ24時間決勝前週の公式テスト、『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス』で行なわれた予選レース後、決勝レースのポールポジションを獲得した31号車キャデラックのフェリペ・ナッセとピポ・デラーニは「周囲のライバルが三味線を弾いている」と主張していたが、55号車マツダRT24-Pを駆るオリバー・ジャービスはこれに反応し、「毎年、特にプレシーズンテストの後は出るようなコメントであり、新しいものではない」と述べている。

「BoPが話題になるのは残念だけど、プラクティスを見れば、非常に接近戦になっている」とジャービス。

「(BoPについて)IMSAは本当にいい仕事をしたと思うよ。レースの中盤に差し掛かるまで、本当にどれだけ接近しているのかは分からないけどね」

2021年は1台体制へと縮小したマツダRT24-P

 レースウイークの走行2日目となる29日金曜日は、現地時間11時20分から60分間、決勝前最後となるプラクティス4のセッションのみが行なわれる。

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