〝無名王者〟京口紘人 いきなり米国V3戦実現のウラに「奇縁」

リモートで会見に臨んだ京口(ワタナベジム提供)

米国開催実現の理由とは――。WBA世界ライトフライ級王者の京口紘人(27=ワタナベ)が3月13日(日本時間14日)に米テキサス州ダラスでV3戦を行うことが29日に正式発表された。

今回はWBAスーパー&WBO&IBF世界ヘビー級統一王者のアンソニー・ジョシュア(31=英国)らを抱える英興行大手「マッチルーム」社のイベント。海外では〝無名〟に等しいボクサーが抜てきされたのは、かねての縁があったからだ。

同社と京口の関係は2017年7月の世界初挑戦時から。渡辺均会長(71)によれば「相手の(IBFミニマム級王者)ホセ・アルグメドのマネジャーが(マッチルーム社社長の)エディー・ハーンだった」。当時は破格のファイトマネーとオプション(興行権)3つの厚遇でこの対戦を実現させた。

その後、京口はV2後にLフライ級に転級。未消化のオプションは「前の階級のこと」とうやむやにできなくもなかったが、約1年前に「数万ドル(数百万円)払った」(同会長)ということで縁が継続していた。

すると自身は昨年11月に新型コロナウイルスに感染してタノンサック・シムシー(20=タイ)戦が中止となり、京口陣営は国内で仕切り直そうとしたが、外国人の入国が不可能な状態に。海外での試合を模索していた時に「ハーンが我々を覚えていて、京口のスタイルが好みに合って」(同会長)、同社と契約に至ったのだという。

海外で実績のない軽量級選手が得た千載一遇のチャンス。京口は「日本人が強いというのを見せたい」とアピールを誓った。

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