20代同棲カップル「収入も貯蓄は少ないし、未婚。それでも家は買える?」

30万組以上の住宅選びの相談に応えてきたスーモカウンターのアドバイザーが、住まいの悩みに答えるシリーズ。最近よくいただくご相談内容をご紹介しながら、お悩み解決につながるポイントを解説します。


都内に住み、都内で働く、20代後半のカップルです。結婚を視野に、すでに同棲を始めています。

地方ののどかな街で育った彼女は、もともと郊外に住みたいと考えていました。コロナでその思いが一気に加速したようです。自分は都心のマンション育ちで、慣れない土地での暮らしには不安もありますが、広々とした一戸建てへの憧れもあります。

郊外の一戸建てを今すぐ買えるなら買いたいのですが、まだ20代で収入も貯蓄も多くなく、しかも未婚です。それでも家は買えるのでしょうか。そもそも、若くして家を買うことにメリットはあるのでしょうか。

【相談者プロフィール】

・本人:男性20代後半(会社員)

・同居人:彼女20代後半(会社員)

・現在の住居:賃貸マンション(東京都、50平米、1LDK)

スーモカウンターアドバイザー: 自分の子ども時代と同じような環境で生活したいと思う人もいれば、反対に体験できなかった暮らしをしてみたいと思う人も。育った環境の違うふたりが、気持ちをひとつにして住まいを探すのは素敵なことですね。今回は、相談者さんが心配している「若くてお金がなくても家は買える?」についてお答えしましょう。

早く購入するとローンも早く終わる

「まだ若くてお金がない」とのことですが、低金利時代が続く今、家賃感覚の支払いで家が買えるなら買ってしまおうか、という若い世代が増えています。20代のうちに家を買おうと思うことは素晴らしいですね。

実は、コロナ禍によって住宅購入の検討が促進された20代は51%もいました。

若いうちに家の購入に踏み切るメリットとしては、住宅ローンの返済が早く終わること。一般的な住宅ローンは最長35年で組むケースが多いですが、20代後半で35年ローンを組んでも60代前半のうちに完済できることになります。

途中で繰り上げ返済をがんばって返済期間を短くすれば、60歳前までに完済できる可能性もぐんとアップします。

頭金を貯める期間がもったいないことも

若い世代の住宅購入は、頭金を十分に貯めてから、と言われることも多いでしょう。それはそれで間違いないのですが、頭金が足りないから今はまだいいなどと言っていると、その間に金利が上がってしまう可能性も。

金利が1%上がることで、借りられる金額が600万円ほど変わってしまうこともあります。頑張って600万円を貯めても、状況が変われば、苦労が水の泡と化すこともあると認識しておきましょう。

例えば今、賃貸住宅の家賃を毎月10万円支払っているとします。家賃の掛け捨ては1年間で120万円。1年間でそれだけの頭金を貯められるかどうか、考えてみるとわかりやすいですね。

頭金は親からもらうor借りるのも一手

とはいえ、やはり頭金は多めに用意しておいたほうが安心。当然のことですが、頭金が多いほど借入額は減り、支払う利息も少なくて済むからです。頭金を多めに入れることで、金利を優遇してくれる金融機関もあります。

そこで、頭金の援助の可能性を探る意味でも、早めに親に相談するのがおすすめ。聞いてみると、実は積み立てをしてくれていた、などというケースもあります。

また、親・祖父母などの直系尊属から資金の提供を受けて、住宅を新築・増改築した場合に、贈与税が一定額まで非課税になる制度もあります。(住宅資金贈与の非課税の特例)

援助を受けるにせよ、頭金を一旦借るにせよ、資金援助の金額が大きければ大きいほど、住まいの選択肢の幅が広がることもあります。まずはダメモトでも聞いてみましょう。

結婚予定なら早めたほうがスムーズ

今回の相談者さんは未婚のカップルです。未婚でも購入できないことはないですが、結婚の予定があるなら、その手続きを済ませてから住宅を購入したほうがスムーズです。

なぜなら、住宅ローンを組む際に、ふたりの収入を合算したほうが借入額も増やせるからです。金融機関によっては婚約していれば合算OKという銀行などもありますが、結婚していればさらにスムーズに手続きできます。

若いふたりが住宅という大きな買い物をするとなると、資金援助の有無にかかわらず、親に相談することが多いでしょう。結婚前提なら、住宅購入を機に結婚を早めることを考えてみてもいいかもしれません。親にもよく相談して、後悔のない買い物をしましょう。


スーモカウンターなら、同様のご要望やご相談に対して、多くの人がどんな選択をしたのか、というアドバイスもできるので、お気軽にご相談ください。

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