“高校生平和大使”3月に韓国へ 全国30人、長崎県2人派遣 

韓国訪問を前に会見する小畑さん(左)と中本さん=長崎市役所

 核兵器廃絶を訴える高校生平和大使の活動を支えている市民団体は29日、3月に全国の高校生約30人を韓国に派遣すると発表した。「韓国派遣・高校生平和大使」として在韓被爆者の体験講話を聞くほか、現地の高校生と核廃絶の署名活動に取り組む予定。本県から参加する活水高2年、小畑なつさん(16)と県立諫早商業高2年、中本大貴さん(16)の2人が長崎市役所で会見し、抱負を語った。
 市民団体は、高校生1万人署名活動実行委のメンバーを2003年から韓国に派遣。20年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止した。本県の2人を除く今年の派遣高校生については、実行委の中から2月中旬まで希望者を募集し、メンバーを決める。
 計画では3月26~29日に滞在。釜山(プサン)で現地の高校生と街頭で署名を呼び掛けるほか、広島で被爆した金文成(キムムンソン)さんの被爆体験を聞くなどする。コロナの感染拡大状況次第では、訪韓の日程を5月末に延期する。
 22日に発効した核兵器禁止条約には米国の「核の傘」にある日韓両国は参加しておらず、会見で小畑さんは「両国が批准するよう、韓国の高校生と発信したい」と語った。中本さんは、徴用工や慰安婦問題などに触れ「日本では知られていないことを学びたい」と話した。


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