飯干さん(高千穂)個人表彰 総務省ふるさとづくり大賞

 総務省は、地域活性化に貢献した個人や団体に贈る2020年度「ふるさとづくり大賞」を発表した。本県からは、高千穂町向山の秋元集落で農村ビジネスに取り組む「高千穂ムラたび」代表の飯干淳志さん(66)が、個人表彰(総務大臣表彰)を県内で初めて受けた。
 飯干さんは09年に高千穂町役場を早期退職し、過疎化が進む古里の秋元集落で持続可能な地域づくりに挑戦してきた。農地の再生、民宿の開設、どぶろく製造など、地域資源を生かした新たなビジネスを確立。交流人口の拡大、若者の就業の場創出につなげた。19年からは同町観光協会会長を任されるなど地元の信頼が厚く、さらなる活躍が期待されることも評価された。
 飯干さんは「自分たちの暮らしに新たな価値を創造し、農山村の競争力、発進力を高めてきた。今後さらに、人々が生き生きと暮らす農山村の未来づくりに取り組む」と話している。
 本年度は最優秀賞や優秀賞などを含め、飯干さんを含む21団体8個人が選ばれた。本県からの受賞は11年以来、9年ぶり。
 総務省は新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ表彰式は行わない。県は伝達式を行うか検討中としている。

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