田中将大、楽天復帰は「腰掛けでない」 ヤ軍と「再契約したかった」一問一答

楽天の入団会見に臨んだ田中将大【写真:荒川祐史】

8年ぶり日本球界復帰「ワクワクが抑えられていない状態」

ヤンキースからFAとなり古巣・楽天入りした田中将大投手が30日、都内で入団会見を行った。8年ぶりに日本球界復帰に至った決断について思いを吐露。会見での一問一答は以下の通り。

(冒頭のあいさつ)
「震災から10年という年で、初めて自分がFAとなってチームを選べる立場にあったわけですが、その中で10年という数字は自分にとって意味のあるタイミングなんじゃないかと思ったので、今回このような決断に至りました」

――8年ぶりの楽天復帰の心境は?
「とてもワクワクしています。また皆さんの前でマウンドに上がって、日本の野球ファンの方々の前で投げられることにワクワクが抑えられていない状態ですね。7年離れていたので、成長した姿をお見せできたらいいなと思っています」

――FAとなって楽天を選んだ理由、決め手は?
「正直な話をしますと、ヤンキースと再契約してまだプレーがしたいという思いがありました。しかし、かなり早い段階で代理人を通じて話を聞いていて、これは別々の道を歩んでいかないといけないんだなと感じました。それ以降、様々なことを考えましたし、今までに考えたことないくらい考えて、悩んで悩んで悩み抜きましたが、1番は自分がどういう野球がしたいのか、どういう環境の中で野球がしたいのかというのが1番だった。自分はイーグルスでプレーして、また日本の方々の前で投げるってことを上回るものは最後までなかったので、こういう決断に至りました」

――いつか楽天復帰の希望は持っていたか?
「少しでも言うと誤解を招いたり、話題が一人歩きしたりするのが嫌で、頑なに答えてこなかった。大前提として楽天イーグルスからオファーをいただけなければ戻りたくても戻れないので(笑)。また必ず日本に帰ってきて楽天イーグルスで、キャリアの晩年ではなくていいタイミングで日本でバリバリと投げたいなという思いはありました」

――8年ぶりの背番号18は?
「やはり18番という番号をつけてプロのキャリアをスタートさせているわけですし、やはり18番はエースナンバーという印象がすごくある。ただ以前つけていたからつけるのではなくて、結果や姿で示していけたらなと思っています」

――2年契約の考えは?
「1年終わった段階で、球団の方とお話をさせていただく機会は設けていただいておりますので、またどういう風になるかは自分の中でも分かりませんが、まだアメリカでやり残したことがあると思っている。そのオプションというのは完全に捨て去りたくなかったので、こういうふうな契約をしていただきましたが、決して腰掛けなどではなく、本気で日本一を取りに行きたい、イーグルスでプレーしたいと心から思っての決断」

対戦嫌がった鷹・柳田は「リップサービスじゃないですか?(笑)」

――東京五輪への思いは?
「自分は出られない立場にあった中で、延期になって、日本球界に帰ってきた。出るチャンスはあるということなので、これは心から選ばれたならもちろん断る理由なんてないですし、出たいと思っています。前回は北京五輪に出ましたけど、悔しい思いをして終わっているので、野球が五輪競技からなくなってしまう状況なので、自国開催ですし、金メダルを取りたいなと思っています」

――シーズンへどんな準備を?
「ボールやマウンドなどアジャストしていかないといけない部分はたくさんあると思うので、いろんな事を想定しながら、生活、練習していければなと思っています」

――東日本大震災から10年。どんな姿を見せたい?
「今でも一緒になって頑張りたいという気持ちはありますし、今まで以上に近くにいられることで、僕に何かできることがたくさんあるかもしれないので、出来る限り協力したい。まずは球場のマウンドで、いい姿を見ていただけるように努力していかないとなと思っています」

――ソフトバンクの柳田選手が対戦は「嫌だ」と言っていました。
「柳田選手、同級生なんですけどお話したことないんですよね。対戦もあるんですけど、2013年は5割打たれていますし、まあリップサービスじゃないですか?(笑)」

――2013年を超える興奮、やりがいを感じた瞬間は?
「舞台が違うので単純に比べることは出来ないですけど、同じように興奮ややりがいを感じた年はありました。(2013年は)自分の野球人生で大きな出来事であるのは間違いない。アメリカでも登板前に集中力をあげていく前に見るビデオは7年間ずっと日本一の瞬間(の映像)は入れていました」

――野村監督、星野監督に言葉をかけるなら?
「また帰ってきましたということと、シーズン後には日本一になりましたとご報告をすることができたら1番いいかなと思っております」

――こだわりたいタイトルは?
「こだわりたいタイトルは日本一です。自分のいい投球をしていればそういう数字は自ずとついてくると思いますけど、正直、2013年で皆さんの印象が留まっている部分があると思うので、求められている部分、ハードルは高いと思っています。そこを飛び越えてやろうというのも自分の中でのやりがいでもあります」(Full-Count編集部)

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