リバプール南野が〝飼い殺し〟危機 米代表DFロングの獲得濃厚で

ピンチの南野(ロイター)

イングランド・プレミアリーグのリバプールに所属する日本代表MF南野拓実(26)が〝飼い殺し〟の危機にひんしている。

リバプールでは現在、大黒柱のオランダ代表DFフィルジル・ファンダイク(29)が負傷離脱しており、センターバックの補強に迫られている。移籍市場の閉幕が迫る中、米スポーツ専門テレビ局「ESPN」は米メジャーリーグサッカー(MLS)のニューヨーク・レッドブルズに所属する米国代表DFアーロン・ロング(28)を獲得する公算が高くなったと報じた。

ただ、そうなると大きな問題が生じる。

プレミアリーグには、15歳から21歳までの間の3シーズンまたは36か月以上でイングランドかウェールズのクラブでプレーした選手を、トップチームの登録25人中8人以上入れなければならないホームグロウンルールがある。

今回のロングのように英国でのプレー経験がない選手が加入したうえで、負傷離脱のため登録枠から外していたファンダイクが今後復帰すると、ホームグロウン外の選手があぶれてしまい1人を登録から外さなければならなくなる。

そうした状況の中、英紙「リバプールエコー」は登録外となる危険性のある選手をリストアップ。最も可能性の高い選手としてGKアドリアン(34)を挙げたが、GKは負傷者が出た場合に代えが利かないうえにベテランGKはこれまでチームの緊急事態を救うこともあり、外しづらいのが実情。そこで同紙は「南野は直近のリーグ戦6試合のうち5試合で出場機会がない。日本代表では序列を低下させており、マンチェスター・ユナイテッドに敗れたFA杯で出番がなかった。クロップは彼を利用しておらず、他にも多くの攻撃オプションが手元にあるとなれば、外されるリスクのある候補となる」と指摘。

まもなくレギュラーのポルトガル代表FWディオゴ・ジョタ(24)が負傷から復帰する見込みで、攻撃陣のコマ不足が解消すれば、南野はベンチはもちろん、トップ登録からも外れる懸念があるのだ。そうした状況になれば今季終了まで飼い殺しとなる公算が高く、いよいよ日本の10番が崖っ縁に追い込まれた。

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