バイエルンの「超神童」FWムシアラ 国籍めぐってイングランド代表とドイツ代表が激しい火花

まだ17歳のFWムシアラ(ロイター)

ドイツ1部バイエルン・ミュンヘンでブレークしている〝超神童〟のU―21代表FWジャマル・ムシアラ(17)を巡って、イングランド代表とドイツ代表が激しい綱引きを展開している。

ムシアラは昨年6月のフライブルク戦で17歳115日でドイツ1部デビューを果たし、今季の昨年9月18日のシャルケ戦では17歳205日で初ゴールを決め、いずれも名門バイエルン・ミュンヘンの最年少記録を更新した怪物ストライカー。今季も名門で3ゴールをマークしている驚異の17歳だ。

そんなムシアラに国籍問題が浮上している。

英全国紙「タイムズ」は「ドイツ代表は、バイエルン・ミュンヘンのムシアラを招集し、彼がイングランドでプレーするのをやめさせる」と報じた。天才ストライカーはナイジェリア人の父親とドイツ人の母親の間にドイツ・シュツットガルトで生まれた。その後7歳から16歳まで英国に移り住みチェルシーの下部組織で育成され、2019年にバイエルン・ミュンヘンへ加入した。

ムシアラはイングランドとドイツの二重国籍だが幼少期からサッカーに慣れ親しんだ地ということもあり、イングランドの各年代でプレーして現在は飛び級でU―21イングランド代表として活躍している。

しかし、生まれ故郷のドイツ代表も超逸材をみすみす逃すわけにはいかない。まだA代表の公式戦に出場していないため、将来的にドイツ代表でプレーするよう説得。現在はまだ交渉中だが、3月に予定されるカタールW杯欧州予選のアイスランド戦(25日)、ルーマニア戦(28日)、北マケドニア戦(31日)に向けてドイツ代表への招集を強行する構えだ。

もちろんイングランド代表も黙ってはいない。同じく3月に予定されるU―21欧州選手権でイングランドはスイス戦(25日)、ポルトガル戦(28日)、クロアチア戦(31日)が予定されているため、こちらに招集する方針だ。

世界トップの強豪国によるシ烈な争奪戦は高い潜在能力の証し。神童がどのような決断を下すのか注目が集まる。

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