首振りDolls、マンスリーインタビュー第23弾はナオ vs 草野華余子!

2021年の首振りDollsマンスリーインタビューのトップバッターゲストは、草野華余子。“カヨコ”というクレジットで多くのヒット曲を生み出して来た草野は、作曲を手掛けたLiSA「紅蓮華」空前の大ヒットにより、その実力を多くの人に改めて知らしめた。2021年、最注目クリエイターであると言っても過言ではない。

1月27日には、“カヨコ”から本名である“草野華余子”に改名して初となる1stフルアルバム『Life is like a rolling stone』をリリースした草野だが、そこには彼女がこれまで書き続けてきた様々な人生観が曲となり言葉となって詰め込まれている。草野が生きる上で感じ取る想いを作品に変え、世に送り出す楽曲達とは、全く異なる表現を曲と歌詞に落としこむ首振りDollsのナオ。初対面である2人は、お互いの曲や歌詞に、一体何を想うのか? “対談”というキッカケがなければ、出逢わなかったかもしれない2人は、クリエイターという共通点から、お互いのサウンドや言葉を使った表現から何を感じ取るのだろう? 男性でありながら、異性である女性性を歌うことが多いナオの歌詞を、女性である草野はどう受け止めるのか?

客観的に書かれる女性性と、自らが追求し書く女性性に迫る分析話を中心に、お互いの音楽性について紐解きながら話し始めた2人のトークは、ファンならずともとても興味深い対談となった。3月17日に発売が決定した首振りDollsのニューアルバム『ドラマティカ』についても語った最新のインタビュー!

アルバム『ドラマティカ』

2021年3月17日(水)発売

DOLLS-1/¥3,000(税込)
<収録曲>
1.Welcome to Strange Night
2.散り散り
3.バケネコ
4.サボテン
5.SMILE
6.ガタ
7.ミルキーウェイ
8.期待しないで
9.DISCOVERY
10.レッドドラゴン
11.誰そ彼
<クレジット>
ジャケット/漫画家・カネコアツシ
写真/写真家・寫眞館GELATIN
ブックレットデザイン/桜井青(cali≠gari)

※特典詳細はオフィシャルHPにて

■配信事前予約リンク
https://lnk.to/kubifuri_dramatica

曲にする瞬間って、 成仏する瞬間なんです

草野華余子、ナオ

ーー新年一発目は、1月27日に、"カヨコ"から本名である"草野華余子"に改名して初となる1stフルアルバム『Life is Like a rolling stone』をリリースされた草野華余子ちゃんにお越しいただきました!

ナオ:よろしくお願いします!光栄です!

草野:よろしくお願いします!いや、こちらこそ!いきなり呼んでもらったので、え、私でいいんですか!?みたいな感じですけど(笑)。

ナオ:とんでもございません!お会い出来て光栄です!まさかお会い出来るとは思っておらず。本当に楽しみにして参りました!

――自身もシンガーソングライターとしてライヴ活動をされていながら、作家として多くのアーティストに楽曲を提供されている華余子ちゃんですが、個人的にその才能に前々から強く惹かれておりまして。メロディももちろん、華余子ちゃんが書く女性性と、異性でありながらも女性性を書くことが多いナオの対談が実現できたらと。

草野:光栄です!私自身バンドの音は昔から好きで、今でも好きなバンドはチケットを買ってライヴに行ったりしているので、首振りDollsさんにもすごく興味が沸いて、今回対談のお話をいただいて、色々と過去作を聴いてみたり、YouTubeを観たりしてみたんです。いやぁ、カッコ良かったです!でも、、、怖い人が来ると思って、ちょっとビビってたんですけど、、、、会ってご挨拶したらめっちゃのほほんとしてる感じで、印象が全く違ったから、今、どうしていいか分からなくなってます(笑)。

ナオ:あ、よく言われます(笑)。

草野:ファンの方ってそういうギャップは知ってるんですよね?
ナオ:あぁ、でも、ここまでのほほんって感じなのは知らないかもです(笑)。

草野:ギャップ萌えってやつですね、完璧に。でも、とりあえず、怖くなくて良かった。

ナオ:あははは。どうぞよろしくお願いします。

――華余子ちゃんと言えば、多くのヒット曲を世に送り出している売れっ子作家さんで、最近では『鬼滅の刃』の主題歌だったLiSAの「紅蓮華」の作曲を手掛けたことでも大注目だったわけですが、私が華余子ちゃんの曲を知ったのは、LiSAの楽曲がキッカケで。中でも印象深いのは、「シルシ」や「DOCTOR」。「蜜」「虚無」「ADAMAS」が特に印象深くて。LiSA との作曲と作詞の相性もすごく良くて、“ザッツ・カヨコサウンド”を強く感じて。女性の本能を曝け出した歌詞の乗ったアダルトな印象の「DOCTOR」も、作家であるカヨコごと赤裸々に本能を曝け出して作られた作品であったなと感じていて。LiSAにとってもイメージを広げた1曲になったんじゃないかなと。個人的に本当に秀曲だと思うのは、壮大なバラードに、LiSAが不安を隠すことなく素直に吐き出した気持ちを歌詞として乗せた「シルシ」。この曲は、ライヴで聴く度に涙が零れ落ちてしまうんだけど、「DOCTOR」は、そことは全く対照的とも言えるロック色の強いバンドサウンドでもあるよね。その幅の広さに驚かされるというか。本当に天才だなと。

草野:ありがとうございます。なんだか、女の子が好いてくれる曲みたいで、感謝しております。“男になんて負けない!って言っていながらも、好きという気持ちに負けてしまう”という想いを赤裸々に書いた歌詞の乗った、「DOCTOR」は、LiSAちゃんが女性性というものを歌った初めての楽曲でもあったんですよね。そこからバラードも書かせてもらうようになって。私自身、LiSAちゃんのファンだったし、すごくいいケミストリーが起こったなと感じてますね。今回の対談の大きなテーマでもあると思うんですけど、女性性っていうものをどう表現していくかで、大きく変わってくるところでもあると思うんです。LiSAちゃんの場合、アウトプットがスポーティーで、いい意味でいやらしくないから、根幹の部分で赤裸々に女性性を書いていても、芸術的にアウトプットされるところが持ち味でもあるんですよね。だから、ライティングの面ではとことん泥臭く書いてもらって、それをいかに瞬発力で出してもらうか、ってところを意識して作っているというか。そういうやり取りも含め、彼女とのやりとりは本当にいつも楽しく刺激的にやらせてもらってますね。首振りDollsさんの曲も色々と聴かせて頂きましたけど、女性性を歌われている曲多いですもんね。

ナオ:そうなんですよ。ちょっと半分女みたいなところがあるので。

草野:なるほど、それは興味深いです。

ナオ:草野さんが女性性を書くときは、どんな意識を持って書かれているんですか?

草野:私は、性格的にもサバサバ見られがちなんですけど、わりと恋愛体質だったり、小さい頃イジメられた経験があったり、あまり自己肯定感が高い方じゃなかったので、出来る限り自分の思っていることを書いていこうと思っていたんですよね。5歳くらいから曲を作っていたので、曲に落とし込むことで、自分の気持ちをアウトプットさせてきたというか。人に言えなかったことを、曲にすることで成仏させるという意味で。例えば、好きな人に言えなかったこととか、本当はこんな風に生きたかったとかっていう女性っぽい気持ちを歌詞にしてきたんです。そういう歌詞の書き方をしてきていたら、怨念の篭った歌詞が出来上がっていったっていう(笑)。

――華余子ちゃんが歌詞を書く瞬間というのは、自分の中の鬱血した気持ちを表に吐き出す時なんだね。

草野:そう。曲にする瞬間って、成仏する瞬間なんですよ。ジトッとした粘着質というより、“そんなこともあったな”って笑い飛ばすような曲になりがちなので、女性が聴いて、“あぁ、こんな風にスパッと生きられたら良いな”って思ってもらえるような感じになってるというか。そういう女性性を歌った歌もあれば、虚無ではなく、“人間とは”っていうことを歌っているような曲もありますし。半々かな。最近は、年齢的なものもあるからか、人生を歌った歌が多かったりするんですよね。人と人って、どうしても分かり合えないっていうところを歌ってみたりとか。そういう曲にシフトチェンジしてきてるのかなって自分では思いますね。

ナオ:成仏っていうお話、すごくよく分かります!
草野:あ、分かります?歌詞を書かれる時、そういう感覚ありますか?

ナオ:そうですね。でも、私の場合、成仏させようと思って書いている訳じゃないんですけど、過去の経験とかを活かして書いていると、辛かったことや寂しかったことが過去になっていくというか。

草野:あぁ、そうですね。

ナオ:はい。整理できるというか。だから、成仏するってすごく分かります。

草野:書いて過去になるタイプですか?それか、過去になってから書けるようになるタイプですか?

ナオ:現在進行形でも書きます。

草野:あ、そうなんだ。私とはそこが違いますね。私はちょっとだけそこは距離を置くかもです。渦中だと全部が温度のある歌詞になってしまうから。

ナオ:あ、それは分かります。リアル過ぎるというか、気持ちがこもり過ぎちゃうっていうところですよね。それもすごく分かります。でも、私は、書けるときは書けちゃうタイプですね。

草野:なるほど。明らかに、“この人に向けて書いた”みたいなことが分かる歌詞ってあったりするんですか?

ナオ:あははは。そこまでは分からない様に書きますけどね(笑)。

草野:実際のモデルが居て書くってことはするんですか?

ナオ:はい。だいたいモデルは居ますね。

草野:へぇ〜。結構リアルだったりするんですね。

ナオ:そうですね、結構リアルな感じだったりするかもですね。1月27日にリリースされたアルバム『Life is like a rolling stone』を聴かせていただいたんですけど、その中にも、女性性が書かれている曲もあって。あぁ、私には書けない歌詞だなぁって思いながら聴きました。自分は男だから、女性性を書くときは、“私”を軸にして、女言葉で書いているんですけど、やっぱり本当の女性が書いた歌詞は、男が書いた女性像、女性性とは違うなって、改めて思ったというか。

草野:あぁ、確かに、男性が書く女言葉の歌詞と、女が書く女言葉の歌詞って違いますよね。意外とね、女性の書く女言葉の歌詞の方が無骨なんですよ。案外男性が書く女言葉の歌詞の方が艶っぽくて、生々しくて、実は女性っぽかったりするんですよ。

――ほぉ。例えば?

草野:例えば、Acid Black Cherryのyasuさんが書く女言葉の歌詞って、JanneDaArcの頃から女性より女性っぽいんですよ! 毎回yasuさんが女性性を書いた歌詞を見て、すごいなぁって思ってましたからね。でも、yasuさんが歌うと、セクシーなんですけど、いやらしくないんですよ。すごく艶っぽいんですけど、嫌じゃないというか。あれを女性が歌ったら、妙にリアリティが増してしまって、セクシーというより、いやらし過ぎちゃうんですよ。生々し過ぎちゃうというか。自分が女性性を書く時は、生々しくなり過ぎない様に気を付けていたりはしますね。だから、男性が女性性をリアルに歌うというのが、個人的にすごく好きなので、首振りDollsでナオさんがそういう歌を歌われているのは、すごく好きです。おぉ、おぉ、こういうの好き!って思いました(笑)。

ナオ:おぉ!嬉しいです!ありがとうございます!

――なるほど。確かに、私も初めて首振りDollsの女性性を書いた曲を聴いたとき、文学的なものを感じたのと同時に、歌詞に落とし込む言葉や、リアル過ぎるくらいリアルな情景描写が、yasuくんの書く歌詞と通ずるところがあるなぁって感じたので、今、華余子ちゃんからyasuくんの歌詞が上がったときに、なるほどって思ったというか。

草野:分かります分かります。私も、そこにちょっと通じるものを感じました。

――“ん?これ、実際に女の人から言われた言葉なのでは?”って思うリアルさもあったりとか(笑)。

草野:あははは。そっち(笑)!?

――そうそう(笑)。とか、やはり、“きっと女性はこんな風に思うんじゃないかな?”という想像をリアルな言葉で書いているというかね。

草野:そうそう。

――“こんな風に女性に思ってもらいたいな”みたいな、男の願望なのかもしれないなとか。

草野:なるほど。そういう感じも確かにあるのかも!私が生々しくなり過ぎない様に意識しながら書いているのと同じく、男性が女性性を書く時に意識することってあるのかな?あまりにもリアル過ぎると、そのアーティストが好きなファンの女の子は傷付く時もあるんじゃないかな?って思ったりもするから。でも、私は、男性が女性口調で逆の立場からで書いてくれると、より感情移入出来るんですよね。だから、個人的には、中性的な男性が女性の気持ちになって書いてるメロウな曲とかジャズっぽい曲とかが大好物なんですよね!

ナオ:なるほどなるほど!他のアーティストの曲を聴くときもいろんなことを考えて聴かれているんですね。

草野:そうですね。自分が聴かせる立場になった時にどう響くかな?ってことを考えながら聴いたりしますね。だから、自分の曲を書く時もそうなんですけど、出来る限り恋愛の提供曲を描くときは、出来る限りあっけらかんと自分のダメさ加減を笑い飛ばす様なニュアンスのロックにしがちなんですよね。

生半可な気持ちじゃ 続けられないと思いました

草野華余子

――1月27日にリリースされた『Life is like a rolling stone』の中に収録されている「おわりものがたり」とかもそういう感じですよね。

草野:そうなんです。「おわりものがたり」は、ファンの人の中では、“ダメ女3部作”って言われている曲で(笑)。他に「ばけものがたり」と「きずものがたり」って曲もあるんですよ。2012年に「ばけものがたり」っていう曲を書いているんですけど、全部主人公は同じで。ってことは、8年もこの主人公にこんな恋愛させてんのも可哀想だから、そろそろ終わらせておこうかな!と思って、今回「おわりものがたり」を書いて終わらせようと。

ナオ:8年!8年も辛い恋愛させたんですね!

草野:そうそう(笑)!

ナオ:なかなかですね!

草野:そう。なかなかでしょ(笑)。ずっとグズグズ言ってたんですよ(笑)。あ、言っておきますが、私本人の話ではないですから!でも、歌詞書く時って、何人か主人公いません?

ナオ:いますいます!いっぱいいます!

草野:いっぱいいるタイプです?

ナオ:はい。100%妄想の主人公もいますし、自分の経験を乗っけた主人公もいますし、曲ごとに違うといえば違うんですよね。

草野:コンセプトを先に置いて歌詞を書き始めるのか、メロディが先に出てきて、それに対するキャラクター付けをしていく感じ、どっちが多いですか?

ナオ:いろんなパターンがあるんですけど、歌詞から書くときは、コンセプトを置いて構築していく感じだったりするんですけど、ギターを触ってて浮かんで来たメロディに歌詞を置いていくときとかは、サビのメロディを弾いたときに一緒にサビの歌詞が浮かんできたりするんですよ。断片的に。そこからそれをパズルみたいに言葉を嵌めていって、全体を構築するって感じなので、そこに主人公は最初からは居なくて、後から主人公を入れていくっていう感じなんです。

草野:あぁ、そういうのもあるなぁ、確かに。ギターを弾いて歌ってる時に、キーワードが勝手に体から出てきて出ていって、それを拾って歌詞にするっていうパターンもありますよね!

ナオ:そうそうそう!ポロポロポロって言葉が出てきて、それを繋げて歌詞にするっていう。自分はそのパターンが一番多いかな。

草野:うんうん。コンセプトがあるから上手くいく時と、逆にそこにコンセプトがあると、そこに縛られちゃって上手くいかない時とがあったりするんですよね。

ナオ:そうなんですよね。縛られ過ぎちゃって、そこから抜け出せなくなっちゃう。ずっと書けなくて。そういうときは寝かせます。しばらくしまっておいて、忘れた頃に引っ張り出してまた書いてみるとか、そういうことしますね。たまに、移動中とかに引っ張り出して見てたりすると、ふと続きが書けたりとかするんですよ!

草野:あーそれ分かります。私、シンガーソングライターになる前は、ずっとバンドやってたんですけど、機材車で移動してる時や、対バン相手のライヴ観てる時に、ふと歌詞が浮かんでくることがよくありました。

ナオ:それめちゃくちゃ分かります!

草野:ありますよね!? 私それがすごく多かったりしたんですけど、最近それが減ってしまっていて、その感覚を取り戻したいなって思っている矢先にコロナで世の中がこういう状態になってしまって、ライヴにも行けなくて。バンドの活動はこのコロナ禍でライヴが出来なくなって、どうやってモチベーションを保たれてますが?

ナオ:モチベーションを保つかぁ、、、。そうですね、もう本当に首振りDollsはライヴバンドだったので、ライヴが出来なくなって活動を一気に止められてしまった感じになってしまって。

草野:過去のスケジュールを拝見して、すごくライヴをやられてたから、結構モチベーション的に辛いだろうなと思ったから、そんな話も聞きたくて。
ナオ:そうですね。月に10本くらい常にライヴしてる8年間くらいだったので。

草野:ですよね。スケジュールを見たら年間100本はやってたんだなって。だから今、ライヴが出来ないのは辛いだろうなと。一昨年、名前をカヨコから草野華余子に変えたんですけど、そこで切り替えの意味も込めて一旦ライヴ活動を止めていたんですけど、よし、そろそろライヴやるぞ!っていう時に、コロナの感染が広がっていって。そこから全然ライヴが出来ない状況に突入して2年目になるんですけど、その前までは年間50本以上ライヴをやっていたりもしたので、ライヴが日常に無いっていう現状を、みんなはどうやって受け止めてるんやろ? と思って。これ、バンドマンの1番の悩みでもあると思うから、ナオさんはどうやってモチベーションを保っているのかな?って。素朴な疑問。

ナオ:ライヴが出来ない状況が不慣れすぎて、最初はすごく新鮮だったんですよね。何をしていいか分からなかったんですけど、でも、最初の頃は、よし、これで曲たくさん作り溜められるぞ!って思ったというか。でも、そのうちどんどんライヴが出来ない状況が続いて、先が見えなくなってきて、どうなるんだろ?ってやっぱり不安になって。観に来てくれるファンのみなさんの安全を考えたら、ライヴをやり続ける訳にもいかなかったから、ずっと我慢してライヴを止めてたんですけど、落ち着いてきたかなと思った頃に有観客に踏み切ったんですけどね。でも、やっぱり制限のある中でのライヴだから、今までみたいにはライヴが出来ないじゃないですか。もちろん、無観客での配信ライヴも制限に沿った有観客ライヴも、自分達的にはこれまでと同じって思っていたし、熱量は変わってはいないんですけど、やっぱり有観客でのライヴって違うみたいなんですよね。お客さんが居てくれるとまた違う熱量が出るみたいで。自分達では分からないけど、配信は配信でしかない熱量が出てるみたいなんですけどね。だから、本当にこのコロナ禍で、いろんな気づきがありましたね。モチベーションを保つみたいなところに、自分の気持ちをシフトした感覚はなかったですね。

草野:徐々に状況を受け入れていったって感じ?
ナオ:そうですね。徐々に。かな。でも、受け入れ切れてないですよ。やっぱりライヴしたいから。草野さんはどうですか?

草野:私はめちゃくちゃ落ち込みましたね。今年(2020年)にかけよう!って思っていたので。2月25日に弾き語りのライヴをやったのが最後で、春のツアーが無くなり、リリースが無くなり、っていう状態になりました。知り合いの作家仲間やバンド仲間とリモートで話したり、一緒に曲を作ったりして、それを曲にしたりとかしてたんです。今回のアルバムの中にある「Wi-Fi」って曲がそれだったりするんですけどね。

――宮地 慧(memento森)さんとeba(cadode)さんと作られた楽曲ですね。

草野:そうです。というか、めちゃくちゃ聴いてくれてますね!

――草野華余子推しなので!

草野:めっちゃ嬉しい!

――でも、「Wi-Fi」は、コロナ前にアルバムがリリースされていたら、絶対に生まれてこなかった楽曲ですもんね。アーティストのモチベーションは、この状況下で、随分変わったと思うし、生まれる曲も変化したと思います。

草野:そう思いますね。本当に。

ナオ:たしかに、自分では気づいていないところで、そういうのが出てるんでしょうからね。

草野:私自身、この状況下の中で、自分らしく音楽をやる方法を模索しましたからね。言い方は悪いけど、篩に掛けられたタイミングになったというか。辞めていった仲間もいましたからね。厳しいなって思った人達は辞めていったし。辞めたくなくても辞めなくちゃいけない状態に追いやられた人達もいたし。自分は有難いことに続けることが出来たので、この機会を無駄にすることなく、しっかりと頑張っていこうと思い直せたし。作家もそうだけど、バンドマンは特にね。1人じゃないから。メンバーそれぞれの想いが同じでは無いから。

ナオ:そうですね。バンドは難しいですよね。草野さんの言う通り。1人じゃないから。

――そうね。コロナというものがなければ、この感情の縺れはなかったんじゃないかな、っていう今までにはなかった感情や感覚を感じますからね。
草野:そう。メンバー内にちょっとだけあったモチベーションの差が、このコロナによってめちゃくちゃ大きくなったと思いますね。

ナオ:それ、すごく分かりますね。

草野:バンドよりも生活を優先したいって思っていたメンバーさんとかが、それぞれのバンドにいらっしゃったら、そういう方達は、辞めるという選択の方にグッとシフトしていっただろうなって。側から見てて感じましたね。私の知り合いのバンドもいくつか解散してしまったりしましたけど、こういう状況になったからこそ、真価を問われるというか。ちゃんとバンドとして一つになって向き合う、環境をきちんと整えて踏ん張れるか、そこだと思うんです。絶対に、今までみたいに甘い考えでは生き残れない。生半可な気持ちじゃ続けられないと思いましたね。

――そうだね。問われてるよね。やれるのか、やれないのか。踏ん張れるのか、踏ん張れないのか。そこは本当に自分達次第なのかなと。

草野:本当にそう思います。

ナオ:そうですね。コロナがなかったら、やろうと思っていなかったことにも挑戦出来る機会でもあったと思うし。一長一短というか。

草野:自分達に起こったことを活かしていけるか、この状況を無駄にしないでプラスに変えられるか。そこだと思いますからね。これ以上ないくらいの大きなターニングポイントだと思いますね。何を生み出したいのか、それでも音楽をしたいのか。それを問いかけられる1年だったなと思いますね。

――まだ過去形になっていないからね。まだまだ先が見えない状況にあって。そんな中、2人はどう在りたいと思ってますか?

草野:実際に状況的には2年は確実に以前の様に戻ることはないと思うんですよ。そして、一度ライヴハウスシーンから離れてしまったお客さんの気持ちを取り戻すのって、5年スパンはかかると思っています。私の場合は、作家という立場とシンガーソングライターの二足の草鞋でやっていて。作家をやり始めたキッカケは、作家として楽曲提供をすることで、自分のシンガーソングライターの活動にフィードバックする為でもあったんですよね。でも、今は少し気持ちが変化してきていて、どっちも100%で向き合いたいし、どっちも私の100%なんですよね。でも、やっぱりライヴって、私の中では人生のご褒美みたいな位置付けなので、それを根こそぎ奪われてしまったのは、自分にとって本当に辛いことでもあったから、それに変わるものというか、いかにマネタイズして、いかに人の目に付くことをしていけるか、だと思っているんですよね。今回こうやって、いつもは話さないようなことを話せる対談の場所を与えて頂いているのも、本当に感謝していますし、嬉しいことだなって思っていて。こういう場所で、なかなか発信出来ない想いを伝えていけるって、本当に有難いなって。

ナオ:すごく頭の回転の良い方だなって思います、草野さん。すごい。

草野:なんの感想ですか(笑)。対談ですよ、対談!

ナオ:あ、すみません! 感心しちゃって。つい(笑)。聞き入っちゃいました。

草野:聞入らんといて!

ナオ:あ、すみません!

草野:のほほんとしてるなあ(笑)!

ナオ:のほほんとし過ぎました(笑)!

草野:ほっこりしたわ(笑)! 本当にあんな激しいロック歌ってる人!? なんか別人が来たんじゃないかって疑うわ(笑)! てか、答えて! 質問(笑)! てか、質問内容忘れたでしょ!

ナオ:なんでしたっけ(笑)?

草野:なんでしたっけじゃないわ(笑)!

ナオ:(笑)。

ライヴハウスでライヴを やるために頑張っている。 それがあるから頑張れる。

ナオ

――まだまだ先が見えない状況にあって、まだ過去形になっていない現状を、2人はどう在りたいと思ってますか?

ナオ:たしかにね。完全にシーンが昔の景色の様に戻るのは、2年以上、下手したら5年はかかるのかもねってとこですよね。

草野:そう。もうみんなそういう現実があったことを、忘れかけてるところもある気がしてね。サブスクの時代と言われ、CDの売り上げが伸び悩んでいた中で、更にこういう状況が追い討ちになって、CDショップにも足を運ばなくなってしまった現状、ライヴハウスが生活の日常にあったのに、そこに行けない状況が続いて、自分の生活の日常から消えてしまったことで、それがいつしか当たり前になってしまって、だんだんみんながライヴハウスから離れていく未来になってしまうかもしれない。だからこそ、私は自分からCDショップに敢えて出向く様にしているし、ライヴにも行ける限り行こうって思っているんです。

――そうね。私たち編集者とかライターという立場でも思うところはあって、こういう時代だからこそ、本当にいいものを作りたい、残したいって思う様に改めてなったの。スピード感重視で即出しというものが主流になっていったりしていった中で、それが当たり前になってしまった中で、ちゃんとじっくりと時間をかけて作った、一生物をしっかりと作っていくべきときなんじゃないかって。

草野:本当にそう思いますよ。本当に。

ナオ:そうかもしれないですね、本当に。そういう意味では、首振りDollsも今回本当に妥協することなくジャケットや写真やデザインに気持ちを込めたアルバム(3月17日リリースの『ドラマティカ』)を作ったつもりだし。

――4月からはその『ドラマティカ』の個展ライヴもするんだよね。『ドラマティカ』を聴いてくれたクリエイターが表現するアートワークの世界を展示する、新しいライヴの形だよね。

ナオ:本当にお力添えを頂いたクリエイターの皆さん(ジャケットイラストはカネコアツシ。ブックレット・宣材オフィシャル写真は写真家の寫眞館GELATIN。デザインはcali≠gariのギタリスト・桜井青が手掛けている)は本当に素晴らしい方達なので、是非とも足を運んで欲しいです。ツアーらしいツアーが組めない分、首振りDollsの世界に空間ごと連れていけたら良いなと思っています。新しいリリースツアーの形を模索する中で、素晴らしい方々にお力添え頂いているので作品展示という見せ方で伝えられる事があるのかなと。でも、コロナが無かったとしても、本当に世の中の流れって速くて。平成に生まれた自分たちすらも、もう周りは新しいことだらけになっていて。昔はレコードやCDじゃなくちゃ音楽が聴けなかったのに、今はスマホ1つあれば何だって出来ちゃう。映像も音楽も情報も何でも手に入っちゃう。そんな世の中で、ロックバンドは順応して行かないといけない。新しい形になって行かないと、今まで通りを求めていたんじゃダメだなって思うんですよね。元どおりの日々が戻って来るのが一番だし、私は本当に一番ライヴハウスっていう場所が好きだし、そこから離れることはないけど、変わっていかなくちゃいけないのかなっていう思いもあって。ただ、いかん私達バンドマンは、ライヴハウスでライヴをやるために頑張っている訳で。それがあるから頑張れる訳で。それがしたいから音楽をやっている訳で。

草野:そうですよね。バンドはライヴハウスで観たいもんなぁ〜。

ナオ:ライヴが本当に好きだし、ライヴハウスが好きだし、ライヴハウスでお客さんとグチャグチャになるのが好きだし。それが生き甲斐だし、そのために生きてるから。変わらなくちゃいけないって思っているけど、まだ迷ってるのかもしれないです。

――変わりたくない?

ナオ:うん。本当は変わりたくない。

草野:そうですよね。あのライヴでの熱量があってこそ首振りDollsってことですもんね。

ナオ:そう。暴れたいし、暴れさせてあげたい。頑張って制限規制に沿って観てくれてるお客さんを観てると、本当に暴れさせてあげたいな、全てを忘れさせてあげたいなって思うし、暴れずに規則守って観てくれてるのを見ると、本当にたまらなく愛おしくなるんですよね。

草野:あぁ、その感覚分かるなぁ。ロックバンドのライヴって、お客さんと一緒に作るという大前提があるからね。シンガロングありきで作ってる曲とかもありますもんね。

ナオ:そうなんですよ!私、1人で歌ってますもん。寂しい、、、、。

草野:あははは!笑っちゃいけないけど、本当にそういう状態ですよね!私は、音楽というのは、作家活動もシンガーソングライター活動も、全部自分にとっての娯楽なんです。そこに隔たりはないんですけど、作家として曲を作る時は、作るまでにすごく資料集めをするんですけど、自分の曲を作る時には全くそういうのをせずに作るんですよね。

――作家として音楽を作るときは、タイアップありきで作ることが多いからね。

草野:そう。シリーズのアニメだったら、前作がこれくらいのエイトビートで、構成されている楽器がこれとこれとこれだってなったら、そこは絶対に避けて作るんです。歌って下さるアーティストさんにとってもそれは良いことではないから。同じアニメでも印象を変えていったほうがいい。自分の中で、楽器の座組みの段階で色々と考える。さっき、作家もシンガーソングライターも、どっちも100%100%って言ったけど、どっちが作る時に気を遣っているかって言ったら、確実に作家として音楽を作る時ですね。

――なるほど。ナオは首振りDollsとして作詞作曲をするときと、自分の弾き語りの為に作詞作曲をするときと意識は変えていたりするの?

ナオ:どっちも好きなことしかやってないかな。誰かに曲を書くということをまだしたことがないので分からないですけど、きっと書くことになったら、めちゃくちゃ考えると思うけど、今は自分が歌う為にしか作っていないから、本当に思いのままに自分勝手に書いてますね。

草野:自分で歌われる時に、シンガーの自分とライターの自分を解離させて、自分が歌いたくないなって思う気持ちを、ライターの自分が歌うことに課したりすることってあるんですか?それとも全く1人の人格ですか?

ナオ:あぁ、どうだろう、、、。メジャーデビューのタイミングとかでは、もう1人の自分っていう存在を考えさせられましたね。

草野:分かる!考えさせられますよね、メジャーデビューのタイミングって。

ナオ:はい。もう1人の自分が“おいおい、売り物作ってんだから、もうちょっと考えた方がいいんじゃない?”って言ってた気がする。

草野:うんうん。今までの作り方でいいのか?って、考えさせられたりしますよね。

ナオ:はい。もう1人の自分が“おいおい、売り物作ってんだから、もうちょっと考えた方がいいんじゃない?”って言ってた気がする。

草野:うんうん。今までの作り方でいいのか?って、考えさせられたりしますよね。

ナオ:でも、結局自分の曲だし、自分の言葉だから、もう1人の自分に言われたことを聞きながらも、いつもと変わらない“自分の作品”になったと思いますね。一瞬そういう葛藤はあったけど、そこからは逃れられたかな。今は1つですね。出てくるものを素直に出してる感じです。

草野:アーティストってそうあるべきだと思うので、それが正解なんじゃないかなって思いますけどね。何かに適応しようとか、融合してやっていこうとした瞬間に急に作品が良くなくなっちゃって、メジャーから2年で首を切られるっていうアーティストはたくさん見てきているので、ワガママなくらいに、ディレクターさんやプロデューサーや事務所の言うことを突っぱねてでも貫くくらいの強さは、今の時代必要なのかなと思いますね。でも、それを言うには、それだけの結果を残さないとですけどね。私、一時期ライティングに枯渇して、人の為にずっと曲を書き続け過ぎて、曲が書けなくなったことがあったんですよ。4年前くらいだったかな。音楽自体を聴けなくなっていたんです。でも、音楽で苦しんでいた時も、助けてくれたのは音楽だったんです。サブスクリプションでずっと音楽を聴いていられるこの時代に生まれたから、死ぬまでずっと音楽を聴いていられるんだ!私、音楽が書けなくなっても、こんなに音楽が好きだから、ずっとこの先も楽しく生きていける!って思ったら、その瞬間に吹っ切れたというか。そこを乗り越えた時に、もう大丈夫だって思えて。そこからはほぼ1つの案件を頂いたら、30分くらいでメロディが書けるようになったんです。私、一筆書きなんで。イメージだけして、目を開けて、ギターを弾いて、80秒くらいのテレビ尺を自分で歌って、それを最終的にちょっと修正して提出。情報を沢山体に入れておいて、打つ瞬間に瞬発力で打ち返すっていう。そういうのが私の作曲法かな。

ナオ:30分くらいで作った曲の方がいい曲っていうことありますもんね!

草野:そうなんですよね。まぁ、時間かけて作ったものもすっごく良く出来たなって思えることはありますけどね。爆発的にみなさんに聴いていただいている曲は、やっぱ瞬発力で書いた曲かなぁ。

ナオ:一筆書きで書いた曲が良いって、すごく分かります!

草野:そこ一緒?

ナオ:ツルッとね。

草野:そう!ツルッと出てきたやつがいいんですよ(笑)。Aメロだけで横たわってるやつとかもいます?

ナオ:いますよ(笑)。サビだけで横たわってるやつもいます(笑)。

草野:ところで、首振りDollsさんはヴィジュアル系ってわけじゃないんですよね?ロックンロール?

ナオ:いや、特に自分達ではカテゴライズしてたりはしないです。聴いて下さる方々がどんなジャンルを好きかってところだとも思うので、特に自分達的には何処と線を引くとかはなくて。

草野:なるほど。みなさんお顔立ちもよろしいから、何処にカテゴライズされるんだろう?って思ったりして。音的にはたしかに往年のロックを感じるところもあり、硬派な感じですもんね。

ナオ:お顔立ちもよろしくて(笑)!? ありがとうございます! すごくサラッと褒めていただけて嬉しいです(笑)! 首振りDollsは何処にカテゴライズされるんでしょうね?正直、何処にも属さない感じというか(笑)。自分達的には全くそこはこだわりないんですけど、お客さんも迷ってる感じがします(笑)。どう応援していいか分からないんじゃないかな?

草野:あははは。“ん? 咲いていいの?ダメなの?”って感じなのかな(笑)。

ナオ:あははは。そうでしょうね、まさしく(笑)。一応首振りDollsは、ロックンロールバンドとして結成したんですけど、私自身が音楽大好きで、自由に楽しむのが好きなので、聴いてくれる人たちが楽しく聴いてくれたらそれでいいんです!全然、咲いて下さって大丈夫です(笑)。

草野:なるほど。密室系のバンドとは確かに親和性ありますよね、首振りDollsさんの音とか歌詞って。密室系の音って、すごくディープで重くて歌詞も文学的だったりするけど、私の中ではヴィジュアル系っていうカテゴリーに括ったことはないですね。首振りDollsさんも、そういう立ち位置のバンドかもしれないですね。

ナオ:なるほど。聴かれる側からは、そういうイメージなんですね。草野さんのルーツって?

草野:すごく遡れば、少年隊とか安全地帯とか。歌謡曲と呼ばれる音楽が好きでしたね。小学校の時にB’zにハマって、中学生でL’Arc〜en〜Cielにハマって、そこからJ-ROCKにどっぷりでしたね。色々と聴くようになったのは、L’Arc〜en〜Cielのメンバーが聴いてる音楽を自分も聴いてみたくて追求するようになってから。洋楽も聴くようになって、モトリー・クルーとかを知って。北欧系のポップソングを聴いてるってのを聞いて、そこも追求してみたり。友達が聴いてたレッド・ホット・チリ・ペッパーズやリンキン・パークを聴くようになったりって感じでしたね。そこから一気に広がっていきました。マックス・マーティンっていうプロデューサーがいるんですけど、その人が作るトラックが好きになって、そこからクレジット買いするようになったんですよ!今みたいに全部検索したら出てくる時代じゃなかったから、MTVを全部録画して観て、マックス・マーティンの手掛けた作品を片っ端から聴いたんです。ナオさんは?

ナオ:私は80年から83年くらいのジャパコアなんですよね。基盤はハードコアなんです。スターリンとか大好きで。

草野:そっちなんですね。

ナオ:そうなんです。そこからグループ・サウンズまで遡って。遡っていく中でピンキーとキラーズに当たって、「恋の季節」にハマって、そこからオルガンサウンドがすごく好きになって、60年代の海外の曲とか聴く様になって、ザ・ソニックスとか大好きになって。どんどん音質の悪い方へ悪い方へってハマっていったんです。でも、普通にポップスも大好きだったから。どこがルーツなのかな? ルーツと言ったら、やっぱり83年組なのかなぁと思いますね。

草野:なるほど〜。深いなぁ。アナログですね。
ナオ:そうなんです。大好きなんです、アナログ。

草野:バンドのカラーとしてアナログなロックを歌っていくって、すごくいいと思います。この時代だからこそね。

ナオ:どんどん居なくなってってますもんね。

草野:そうですね。今、同期がすごいですもんね。私も質感にはこだわっていきたいなって思います。弾き語りとかもずっと続けていきたいですしね。

ナオ:そうですね。私、ドラムボーカルなんですけど、クリックに萎縮しちゃってるドラマーが多いなって感じることが多々あって。そういうの見てると、私はもっと人間らしい音楽をやりたいなって思うんですよね。古いって言われるのかもしれないけど、そこはずっと貫いていけたらいいなって思ってます。

草野:すごくいいと思う。1月27日にリリースされた、"カヨコ"から本名である"草野華余子"に改名して初となる1stフル・アルバム『Life is Like a rolling stone』は、シンガーソングライター界隈で知り合った仲間と一緒に作らせてもらった、1枚なんです。アルバム・コンセプトは"純J-POP"なんですけど、これが遺作になってもいいなって思えるくらい、大切にしたい音作りが出来たので、是非聴いてもらえたらと思います。1箇所も後悔して無いので、聴いて欲しいですね。

ナオ:すごい。本当にすごい。なかなか言えないですよ。これが遺作になってもいいって。1箇所も後悔して無いって。素晴らしいです!本当に!

草野:あははは。ありがとうございます。でもね、今は作り上げた瞬間の気持ちから更に前に進んでいるので、もっとこれを超える作品作ってやる! っていう気持ちになってますけどね(笑)。

ナオ:カッコいいな。すごい。

草野:めっちゃ今日褒めてもらうなぁ(笑)。すごくいい対談でした!またライヴが始まったら、是非遊びに行かせて下さい。

ナオ:是非! 私も遊びに行かせて下さい! なんか、今日、すごく元気もらいました! 本当にありがとうございました!

草野:こちらこそです! ありがとうございました!

取材・文:武市尚子
動画撮影&写真:DOLL RECORDS Co., Ltd.

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【草野華余子 プロフィール】

“ただのオタクですが、勇気を出してロックやってます”

大阪府出身・東京都在住、シンガーソングライターときどき作詞作曲家。3歳の頃からピアノと声楽を始め、中学生の頃に出会ったJ-ROCKシーンのバンドサウンドに衝撃を受け、18歳の大学進学を機にバンド活動を始める。バンド解散後、2007年頃から「カヨコ」として活動を開始、2019年に本名である「草野華余子」に改名。

包み込むように優しく人間味溢れる歌詞と、卓越した唯一無二のメロディセンスが持ち味。聴く人の背中を押すような、力強いライヴ力にも定評がある。 自身の活動に加え、そのメロディの力強さが認められ、数多くのアーティストやアニメ作品への楽曲を提供。2019年にリリースされたLiSA「紅蓮華」の作曲を手掛け、一躍注目を集めている。

2021年には草野華余子として初のフルアルバム「Life is like a rolling stone」が発売。シンガーソングライター兼作家という"二足の草鞋型アーティスト"として、より一層の活躍が期待されている。

草野華余子 オフィシャルHP

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