【人生を変えることば選び】問診時の繰り返し質問はNG 「かかりつけ薬剤師」制度の有効活用も

薬を処方されたときの注意点は…(写真はイメージ)

【ほめ達・松本秀男 人生を変えることば選び】身近に良いかかりつけ医を見つけましょうシリーズの第4弾となります。前回は問診時に気を付けたい心構え、準備についてお話ししました。今回も引き続き、問診時の注意点をお伝えします。

よく患者さんに聞かれるのは「治療法など、説明を受けて納得できなかった場合、質問してもいいのか」。これはもちろん質問してもらって構いません。ただ何度も繰り返し聞くのはNGです。そういった場合の対処法としては「なぜ自分はそのことに関して不安なのか、違うと感じているのか」をより具体的に伝えることです。

一般的なのは「〇〇という検査をしたいと思っているんですが、どうでしょうか?」と患者さんが聞いたところ、医師は「必要ないでしょう」のひと言で終わってしまい、モヤモヤが募るというパターン。この場合、患者さんの立場として聞くべきは「なぜ必要ないとの判断になるのか」をちゃんと質問することです。そこまで突っ込んで聞くことで医師がその検査を行わないと判断した理由もしっかり聞くことができるハズです。それをせずに「わかりました」と答えてしまっては、納得する答えは得られません。それでも納得がいかなければ、セカンドオピニオンを求めて、別の医師に意見を求めてもいいと思います。

同時に薬の服用についてもお伝えしておきます。たまに「こんなに飲んで大丈夫なの?」と質問をする患者さんもいらっしゃるようですが、何にせよ大事なのは、しっかりと自分自身で薬の意味を理解すること。そのためにまずは新しい薬が処方されたら「薬剤の名前」「目的」「代表的な副作用」「服用するタイミング」「いつまで服用が必要か」は最低限、確認しておきましょう。

また薬に関しては薬剤師をもっと活用しましょう。かかりつけ医も注目されていますが、「かかりつけ薬剤師」制度も2016年から始まっています。患者さんが担当の薬剤師を指名することで、薬剤師が異なる病院の薬も把握することができ、相互副作用などのリスクを減らすことにもつながります。医師も限られた時間の中で診察を行っているため、薬剤への対応としては、医師に基本的なことを確認した上で、薬剤師にその都度、疑問点や細かいことを詳しく尋ねる方式も良いかもしれません。

このように一つひとつの薬に関してしっかりと確認しておくことは、話題の多剤併用を予防することにもつながり、結果として長生きに結びつくでしょう。

☆まつもと・ひでお 1961年東京都生まれ。国学院大学文学部卒業後、さだまさし氏の制作担当マネジャー、ガソリンスタンド経営を経て、45歳で外資の損害保険会社に入社。トップ営業マンとなり数々の実績を作る。現在は一般社団法人・日本ほめる達人協会専務理事を務め、企業セミナーなど多方面で活躍中。著書に「できる大人のことばの選び方」や「できる大人は『ひと言』加える」など。

© 株式会社東京スポーツ新聞社