核に依存しない安全保障を 共同通信・太田氏、長崎大・吉田氏 オンライン対談

バイデン新政権や核兵器禁止条約についてオンラインで対談する太田氏(右)と吉田氏

 共同通信社の太田昌克編集委員は30日、長崎大核兵器廃絶研究センターの吉田文彦センター長と核軍縮を巡ってオンラインで対談し、日本政府は米国の「核の傘」に依存しない安全保障を追求すべきと訴えた。
 県と長崎市、長崎大でつくる核兵器廃絶長崎連絡協議会の市民公開講座。太田氏は、「核なき世界」を掲げた米国のオバマ元大統領が2016年に被爆地広島を訪問したことから、オバマ氏の流れをくむバイデン新大統領には「まず長崎に来てほしい」と述べた。
 日本政府は日米同盟で、尖閣諸島の防衛や核抑止政策の維持を最優先する一方、中国との緊張緩和といった次のステップとなると「思考停止している」と指摘。バイデン氏が今後、核の先制不使用など核の役割低減を検討した場合に、日本の対応が問われるとした。
 吉田氏は「米国は通常戦力だけでも圧倒的」として日本は本当に核の傘が必要か問い直すべきと強調。太田氏も核兵器禁止条約の意義に触れ、核に頼らない安全保障を日米で「最後まで探っていくことが重要だ」と話した。

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