初産の不安に寄り添う 看護専門学校らオンラインで妊婦生活のこつ伝授 出産立ち会い制限、母親教室中止…画面上で悩みに答える

妊婦らを対象としたオンラインイベントの準備を進める学生=長崎市医師会看護専門学校

 新型コロナウイルスの影響が広がる中、出産を迎える妊婦らの不安に寄り添おうと、長崎市栄町の市医師会看護専門学校助産学科の学生が2月19、20日、初のオンラインイベントを開く。妊娠中の過ごし方や母乳の与え方、赤ちゃんの沐浴(もくよく)のこつなどを伝える。
 イベントタイトルは「毎日がたからもの」。長崎市と近郊に住む4~6月に出産予定の初産の人を対象としている。助産学科は看護師免許取得者が妊娠、出産、育児の基礎知識や技術を習得する1年課程。学びの集大成という意味も込めて例年は来場イベントを開いているが、コロナ禍でオンラインに切り替えた。
 妊婦を対象にした「ママクラス」(19日)では妊娠中の体の変化や胎児の成長などを紹介する。胎児と一緒に楽しく妊婦生活を送ってほしいという思いを込めた動画も準備した。夫婦で参加する「パパママクラス」(20日)では出産の流れや沐浴のこつなどを伝える。
 視聴するだけではなく、実際に自宅で体験してもらえるような工夫も。沐浴の仕方を教える際に使う赤ちゃん人形は家庭にないため、学生たちは風船やタオルを使って手軽に作れる人形を考案した。事前に寄せてもらった悩みを踏まえてプログラムを構成し、オンラインの画面上で参加者同士が交流する時間も設ける予定だ。
 学生たちはコロナ禍での実習中、出産時に家族の立ち会いや面会が制限され、母親教室も中止となり、不安を抱える妊婦の姿を目にして自分たちにできることは何かを話し合ってきた。松本沙織さん(23)は「少しでも不安を軽減し、出産に向き合う準備をお手伝いできたら」と意気込む。同学科の馬場直美教務科長は「助産師は女性の一生に関わる仕事で、困っている人をどうサポートできるかという視点が大切。学生にとっても、大きな学びにつながるイベント」と語る。
 パパママクラスは定員に達したが、ママクラス(19日午後2時~4時)は参加者を募集中。問い合わせは同学科(平日のみ、電095.818.5885)。 

 


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