マッシヴ・アタック3D+AIアーティストが共同制作:ヴァレンティノの映像作品が披露へ

1月29日、音楽ユニット「マッシヴ・アタック」のメンバーで「3D」の名でも知られるロバート・デル・ナジャと、AI(人工知能)アーティストのマリオ・クリンゲマンがオーディオビジュアルアート作品《Code Temporal》を公開した。

ファッションブランド「ヴァレンティノ」の2021年春夏オートクチュールコレクションに際して制作された《Code Temporal》は、「ヴァレンティノ」のクリテイティブ・ディレクターであるピエールパオロ・ピッチョーリとデル・ナジャとの対話から生まれたもの。

《Code Temporal》より

ロバート・デル・ナジャはコラボレーション相手として、アルゴリズムやニューラルネットワーク(脳の神経回路の一部を模した数理モデル)を活用した作品を得意とするアーティスト、マリオ・クリンゲマンを抜擢。アトリエで裁縫するクチュリエ(針子)たちの手元の様子などを撮影し、3か月の間、人口知能にヴァレンティノのオートクチュールについて学習させ、映像作品を制作した。

オートクチュールコレクションの制作プロセスを探索するこの映像作品の中に見えるのは、アトリエの様子や断片的なテキストや、クリンゲマンが制作したと思しきAIの人物像。これらは、機械学習によるアルゴリズムによって生成され、クリンゲマンによって構築されたニューラルネットワークによって編集されたものだという。

《Code Temporal》より

ロバート・デル・ナジャはアーティスト、ミュージシャン、活動家。マッシヴ・アタックのメンバーとして知られるほか、データの視覚化とAIテクノロジーを利用したアートや音楽、ドキュメンタリーといった多領域で活動し、ストリートにも造詣が深い。

マリオ・クリンゲマンはアルゴリズムとAIを使ってシステムを構築し、研究するアーティスト。とくにアートとクリエイティビティにおける人間の知覚に興味を持ち、これらのプロセスを機械によって増大、模倣することのできる方法を研究している。2019年には、AIを使ったインスタレーション作品をサザビーズ・ロンドンで出品したという世界初の試みも広く報じられた。

《Code Temporal》より

作品本編は以下から見ることができる。

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