マー君復帰でも日本一奪還に燃える巨人 原監督〝胴上げ〟まで抜かりなし!

鳥居の前で拳を上げる原辰徳監督

さあ、球春到来だ。リーグ3連覇と9年ぶりの日本一に燃える巨人・原辰徳監督(62)が31日にキャンプ地の宮崎に入った。まずはセ・リーグ制覇が大前提となるが、今季のパ・リーグは宿敵のソフトバンクに加え、田中将大投手(32)を獲得した楽天も巨大補強に成功。強大化するパ球団との日本シリーズをいかに制するのか。歓喜の瞬間を迎えられるのか大いに注目されるが、そんな原監督が明かしていた胴上げの秘けつとは――。

いよいよ長い戦いの幕が開ける。原監督は若手中心のメンバー構成となった宮崎キャンプの野手キャプテンに「お前さんに頼むからな」と岡本を指名。「そういう時期だと思います。若き選手たちのなかでリーダーを取れる。誰しもが『そうだろう』というところ」と主砲のさらなる成長を願った。

チームとして目指すべき場所は明確だ。セ界を再び制し、日本の頂点に立つ。ただ、ここへきてパの勢力図を塗り替えかねない大物が加入した。ヤンキースからFAとなっていた田中が8年ぶりに古巣復帰。バリバリのメジャーリーガーが加わり、楽天投手陣の層がグッと厚みを増し、球界OBなどから早くもソフトバンクを押しのけてV候補に推す声まで上がっている。

巨人としては、田中と対戦したのは2013年の日本シリーズ第7戦の最終回、前日先発からの連投登板した右腕に封じ込まれて敗退したのが最後。最近は当時の田中が渾身のガッツポーズを決めるシーンが何度も放映され、指揮官も「(空振り三振に倒れた)矢野謙次(現日本ハム二軍打撃コーチ)が泣いているでしょう」と笑いを誘いつつ「まあまあ、過去だから。勝負の世界はね。その時の結果は変わるわけではないしね。相手を潔く称えるということは大切。また横一線からスタート」と静かに闘志に火をつけた。

もちろん、G党が待ちわびるのはソフトバンクでも楽天でもなく、原監督の胴上げシーンだ。昨季、リーグ制覇した際は華麗なフォームで9度宙を舞った。しかも、胴上げ役は手袋をはめた少人数のスタッフに限られ、選手たちは周囲で見守るコロナ仕様だった。そんな難しい持ち上げられ役をこなせたのも〝胴上げの達人〟原監督の経験と技術だけでなく、人知れず行われていた鍛錬のたまものだった。

「これはやった人にしか分からない」と語った原監督によれば「上に上げられた時に、自分がフッと(体勢を)戻すのは体幹なんですよ。バーンと上げられた時に軌道修正する」という。反対に体幹が弱いと「ひっくり返る」そうで、最後は何度も胴上げを経験した「慣れ」がモノを言う。

原監督自身、詳細こそ明かさなかったが、昨年の自粛期間中から体幹などを地道に鍛え、医療関係者から「監督、何か(練習を)やっていますか?」と驚かれたほどだったそうだ。

ファンとともに歓喜の瞬間を迎えられるかは、春季キャンプでの調整ぶりも大きく左右してくる。31日に恒例の宮崎神宮を参拝した指揮官は「我々は勝つということが一番の目的ですから。そのミッションに向かっていきます」と力強く宣言。原巨人が栄冠に向けて本格始動する。

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