広島の新助っ人クロンが鈴木誠也に熱視線「いい打者を見て勉強していく」

ランチ特打を行った広島・クロン

広島の新助っ人ケビン・クロン内野手(27=ダイヤモンドバックス)が初日から存在感を発揮した。広島の春季キャンプは1日、沖縄市のコザしんきんスタジアムでスタート。ナインが懸命に汗を流すなかでひと際目を引いたのがクロンだ。

長野、会沢らとランチ特打に登場すると鋭い打球を連発。右に左にの広角打法で対応の幅の広さを披露した。注目の柵越えは62スイング中わずか1発だったが、これにはワケがある。「オフの間、室内で打っていていきなり外に出たら感覚がまったく違う。6、7割(の力)でいい。まだまだスローペースでいいよと伝えている」(朝山打撃コーチ)と首脳陣から〝セーブ指令〟が出ていたのだ。

パワー控えめの打撃に徹する代わりに発揮されたのが真面目な性格ぶりだ。助っ人のキャンプ初日といえば肩慣らし程度の場合もあるが、クロンは「日本の投手の攻め方は米国の投手の攻め方と違うと聞いている。タイミングの取り方などを試行錯誤していかなければならない中で可能なことはやろうと」とカーブマシンでの打撃練習の〝おかわり〟を志願して打ち込む熱心ぶりだった。

さらに、鈴木誠也外野手(26)がフリー打撃に取り組む間はゲージ裏でじっくり観察。「体のバランス、下半身の使い方が素晴らしい。いい打者のいいところを見て勉強していくことは自分にも役立つんじゃないかと思う」と研究家の一面ものぞかせた。「徐々に自分のコンディションを上げていきたい」というクロン。日本野球に対応するため精力的に動いていく。

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