ソフトバンク・和田「上乗せしていかないと」 工藤監督の〝伝説〟40代連続2ケタ勝利に挑戦

初日からブルペン入りしたソフトバンク・和田

ソフトバンク・和田毅投手(39)が宮崎春季キャンプ(生目の杜運動公園)初日の1日、ブルペン入りした。今月21日に40歳の大台を迎えるベテラン左腕が「40代連続2ケタ勝利」挑戦を力強く宣言した。

気温19度まで上がった宮崎。コロナ禍の中でも温かく迎えてくれた南国の自然に感謝しながらマウンドへ向かった。「本当は入るか迷ったんですけど。この気温とユニホームを着ると、やっぱり野球選手としての血が騒ぐ」。投げすぎ、飛ばしすぎを自制して、立ち投げだけで70球。「肩肘を守ることは僕にとって大事なこと。下半身のトレーニングの一環」と明確な意図を持ってブルペンに入った。「昨年の今頃と比べて体の状態は全然いい」。表情と声色から自信とやる気がみなぎった。

昨季は16試合に先発して8勝。負けはわずか1つだけ。だが、当然のように納得しないのが和田だ。「球数を昨年も100球投げられた試合が数えるしかない。投げても、5回、6回、長くても7回くらいだった。今年は他の投手と同じくらい100球、110、120と(継続して)投げられるような状態でいたい。それがチームから求められる部分だと思っている」。

オフに2年契約を締結したベテランは、その左肩にかかる責任を誰よりも理解している。「年齢も上がるが、挑戦していきたい。工藤監督が現役の時に、41歳(10勝)42歳(11勝)で2ケタ勝利を挙げているので、僕もそこを目標にしたい。監督が成し遂げていることは自分も挑戦していきたい」。工藤公康監督(57)が現役の晩年に見せた奮闘ぶりを引き合いに、40代での2ケタ勝利を誓った。

「年齢のことを言われるが、自分の中では意識していない。昨年よりも球数を投げられたり、走れたりとか、上乗せをしていかないといけない。自分を律していきたい」と頼もしく語った和田。パ・リーグ左腕で40代2ケタ勝利者は過去に一人もいない。不惑を迎える鷹の精神的支柱が、燃えている。

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