当初は観客動員も感染再拡大で12球団とも苦渋の決断
プロ野球12球団は1日、一斉にキャンプインを迎えた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、いずれも無観客での開催に。選手との距離が最も近く、触れ合いを楽しみに足を運ぶファンも多い特別な1か月。声援が消えたキャンプ地で、選手はどう感じたのか――。
宮崎市の生目の杜運動公園。ソフトバンクの1、2軍が隣接した球場でキャンプを行う舞台は、例年なら球場間の芝生エリアにファンがごった返す。しかし、今年は景色が一変。静けさに包まれ、選手たちの声だけがよく響く。
各球団とも当初は限定的に観客を入れての開催を想定していたが、昨年末から首都圏を中心に新型コロナの感染が再拡大。キャンプ地の沖縄県や宮崎県も独自に緊急事態宣言を出す中、無観客開催に舵を切った。
昨シーズン、オープン戦や開幕当初は無観客を経験。スタンドががらんとしている光景は初めてではないが、ファンにとってキャンプは特別な機会。練習の合間などで選手が移動する際に間近で触れ合うことができ、練習後には即席のサイン会が実施される球団もある。
DeNA三浦監督「いつもと違うのは当然のこと」
ファンとの触れ合いは“球春到来”の風物詩でもあり、ソフトバンクの中村晃外野手は「今まではファンの人がたくさんいて、その中でプレーできましたけど、やっぱり寂しいなという感じですね」と例年との変化を語る。
DeNAのキャプテン佐野恵太外野手も「ファンの方に見られていると、より頑張らないといけないなというのが強く思います。しっかり活躍した姿を見せられるように、観客が入った時に頑張りたいなと思います」と先を見据える。1軍指揮官として新たなスタートを切った三浦大輔監督は「初めての無観客キャンプですから、いつもと違うのは当然のこと。仕方がないことですが、その分、球団のSNS、ネット配信、マスコミの方に選手の声を届けてもらいたい」と求めた。
一方、楽天の涌井秀章投手は「みんな多分同じことを言うと思うので、あえて違うことを言います。キャンプは自分のことをやる期間なので、誰の目も気にせず自分のことに集中するにはいいのかなと思います」と独特の見解で前向きに解釈。もちろん「寂しい気持ちもありますけどね」と付け加えた。
メディアを通じて練習の日々を伝えながら、3月26日の開幕へと準備を整えていく各球団。再びファンの目の前で勇姿を見せる瞬間を心待ちに、2月を過ごすことになる。(Full-Count編集部)