イクボス充実度 佐世保市が九州2位に 育休取得率増など評価

新任課長がイクボスについて学ぶ研修=佐世保市、すこやかプラザ(市提供)

 長時間労働の見直しや職員が働きやすい環境づくりを目指す「イクボス宣言」をした全国の自治体を対象に、NPO法人が取り組みの充実度について実施したアンケートで、長崎県佐世保市が九州の市区町村(17自治体)で2位、全国(118自治体)で15位にランクインした。
 「イクボス」は、職場の部下の仕事と生活の両立を考えながら業績を高めていく上司を指す。推進事業に取り組むNPO法人ファザーリング・ジャパン(東京)が、2020年3月末までにイクボス宣言をした全国283の都道府県と市区町村を対象に実施。回答があった155自治体(回答率約55%)について、推進に向けた取り組み状況や、男性の育児休業の取得率、管理職に占める女性の比率などを評価した。
 佐世保市は18年3月、朝長則男市長が県内の首長として初めて宣言。働き方の変化や若い世代の意識について新任の課長が学ぶ研修や、市内の企業などを対象にした啓発セミナーなどに取り組んできた。こうした結果、男性職員の育児休業取得率は宣言前の17年度が2.9%だったが19年度は5.8%に、係長の女性比率は29.5%から32.2%にそれぞれ増加した。
 市子ども政策課の担当者は「(休暇の取得率などが)少しずつ改善している結果だと思う。市内の企業や団体にもイクボスを広めていくきっかけにしたい」としている。

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