南足柄市、小中9校でICT授業 1人1台タブレット端末の利用開始

教員からタブレット端末の使い方を教わる児童=南足柄市立岩原小学校(画像の一部を修整しています)

 ICT(情報通信技術)を活用した教育を推進する国の「GIGAスクール構想」を巡り、神奈川県南足柄市教育委員会は1日、市立9小中学校で全校児童生徒の1人1台のタブレット端末などの利用を開始した。市立岩原小学校(同市岩原)では、1年1組の児童25人が端末を利用した最初の授業を受けた。

 授業で児童は、端末やインターネットについて、調べ物や買い物などさまざまなサービスや情報を利用できる利点を挙げた。一方、IDとパスワードを使って他人が成り済ましを行う危険性についても学び、他人には「パスワードを教えない」「使わせない」など、端末を使う際の四つの約束を確認した。

 1人ずつ端末を受け取った児童は、教員らから使い方の指導を受け、描画ソフトやカメラを使って思い思いに楽しんだ。完成した作品がスクリーンに映し出されると、児童からは歓声が上がり、「楽しかった」「もっとやりたい」と話していた。

 担任の安池由美子教諭は「児童により端末の習熟度に差があるので、どの子も同じように使えるよう力を入れたい」とし、山岸光一校長は「児童がより深い学びができるような学習計画を立てていく」と述べた。

 同小では今後、算数や国語などの教科でも、端末を使って復習などを行う。

 市教育指導課の室伏秀元課長は「各教育現場で子どもたちとルールを作ることで、児童生徒が自ら学ぶ力を身に付けられるようにしたい」と話している。

© 株式会社神奈川新聞社