『樹海村』緊張感と音が生み出す恐怖は映画館でしか味わえない

(C)2021「樹海村」製作委員会

 映画『呪怨』シリーズなどを生み出し、ジャパニーズホラーというジャンルをハリウッドで確立させた清水崇監督待望の新作ホラー映画です。大ヒットした映画『犬鳴村』に続く「恐怖の村」シリーズ第2弾と呼ばれている本作の舞台は、多くの人に恐れられている自殺の名所・富士の樹海。実際にネットでは「絶対に検索してはいけない言葉」と言われている<コトリバコ>と呼ばれる箱の呪いによって起きる恐怖の出来事を描きます。

 富士の樹海に封印されたはずの<コトリバコ>の呪いに巻き込まれてしまう姉妹を演じるのは、『ミスミソウ』などの山田杏奈と『下忍 赤い影』などの山口まゆ。ジメッとした空気感や何もない山の中だからこその静寂から生まれる緊張感はスクリーンから否応なく伝わってきて、主人公たちがその場所を歩いているだけで恐さはつのっていくばかり。恐怖演出はさすが清水崇監督で、普段からお化け屋敷が大の苦手の私は、上映中に何度となく大声を出しそうになりました。ただ大きい音で脅かされるという恐怖ではなく、「なんかきそう、なんかいる、ワーワー怖い」と体が強張ったところにヌルリとやってくる恐ろしさは鳥肌もの。恐怖に怯える映像の効果はもちろんですが、音の効果もホラー映画においては大事な要素の一つなので皆様には是非真っ暗闇の映画館で樹海の中の自然音に囲まれながら思いっきり怖がって欲しいです! 恐怖へのこだわりはさすがで、メインビジュアルにもたくさんの<怖い何か>が散りばめられています。★★★★☆(森田真帆)

2月5日から全国公開

監督:清水崇

出演:山田杏奈、山口まゆ

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