大阪の名物グルメ・たこ焼き発祥のお店「会津屋」で元祖の味を知る

有名な大阪グルメといえば?

きっと、1位は「たこ焼き」で間違いないでしょう。

大きながタコが入った、ゴルフボールのようなかたまりが黄金色に焼かれ、表面にソースとネギ、踊るように動くかつおぶしがかけられたたこ焼きは、まさに食欲をそそります。

しかし実は、最初のたこ焼きにはソースもかつおぶしもなく、とてもシンプルだったことをご存じですか? 私たちと一緒にたこ焼きの聖地へ向かい、たこ焼きの歴史を教えてもらいましょう!

たこ焼き発祥の店!大阪「会津屋」

タコの顔が描かれた赤い大きな看板の店が、たこ焼きの元祖「会津屋」です。

初代当主・遠藤留吉(えんどう とめきち)さんは、もともと福島県の会津の生まれ。のちに引っ越し1933年に、大阪で小さな屋台事業を始めました。「会津屋」という店名は、ご自身の出身地から取ったそうです。

しかしこのお店、開業当初はたこ焼きではなく「ラヂオ焼き」を販売していました。

たこ焼きの先輩、牛肉入りの「ラヂオ焼き」

醤油で煮た牛肉を小さく切り、こんにゃく、青ねぎとともに生地に加え、焼き上がったものがラヂオ焼き。会津屋ではしばらくメニューから姿を消していましたが、2005年に復活しました。

うっすらと表面に青ねぎが見えるのが特徴です。さっぱりとした醤油だしの生地ですが、煮込んだ牛肉とこんにゃくが入っているため、全体的にコクと甘みがあります。

もっとも新しく、流行していたラジオ

ラヂオ焼きが作られた当時は、ちょうどラジオが流行し始めたころ。“もっとも新しく流行しているもの”という意味で、多くのものに「ラジオ」という言葉がつけらました。もちろんラヂオ焼きも例外ではありません。

ラヂオ焼きは会津屋だけにあったわけではなく、当時は多くの店が販売していたそうです。それぞれのお店ごとに、配合や材料は異なります。

たこ焼きが誕生したのは、ラヂオ焼きができてから2年後。きっかけは、「明石焼き」にあります。

たこ焼きとよく比較される明石焼き。実は、たこ焼きよりも先に誕生しています。そして1935年、ラヂオ焼きを食べたお客さんがこう言ったそうです。

「大阪は牛肉かいな、明石はたこが入ってるで」

初代店主はこの言葉にインスピレーションを受けました。そして、牛肉やこんにゃくの代わりにタコを用い、たこ焼きが誕生したのです。

かつおぶし?マヨネーズ?元祖はタコのみ!

元祖たこ焼きの具はタコだけでした。紅しょうが、かつおぶし、マヨネーズ、青のりもなければソースもつけず、そのままいただきます。今の華やかなたこ焼きが知られるようになったのは、20年ほど前のことだそうです。

生地には、特製醤油だしを使用しています。このだしは、会津の郷土汁料理「こづゆ」から初代店主が着想を得て開発したものです。そのためソースはつけませんが、香ばしくさっぱりとした味わいが楽しめます。

柔らかくもしっかりとした生地は、タコとの相性抜群。現在のたこ焼きよりもサイズが小さく、一口で食べきることができます。15個入りですがすぐに食べられ、お腹も満たされる絶品です。

ミシュランも認めるたこ焼き

初代店主が生み出した味を、80年以上も受け継いできた会津屋は、2016~2018年に『ミシュランガイド京都・大阪』の「ビブグルマン」にランクイン。まさに、大阪を代表する美食となりました。

ほかにもネギだけを加えたねぎ焼き、卵だけを加えた玉子焼きなどがあります。どれもシンプルな味で、冷めてもおいしくいただけます。

おやつにも、おつまみにもオススメ

お店に訪れた人は、18個、20個などたくさんのたこ焼きをオーダーしていました。たこ焼きはお客さんにとって、おやつでもあり、ビールによく合うおつまみでもあります。

愛される定番の味を味わってみたい方は、たこ焼きの元祖「会津屋」へ行ってみてください!

In cooperation with 会津屋

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