点火の瞬間を見逃すな!勝山左義長どんど焼きの写真撮影のポイント

photo by instagram @nix411

300年以上もの歴史がある、福井県を代表する伝統行事、勝山左義長まつり。
フィナーレを飾るどんど焼きの規模が大きく、かなりの迫力があります!
感動的な場面は写真にもしっかり収めておきたいものですが、今回が初左義長だった私は、写真撮影で盛大に失敗してしまいました。
来年は絶対に同じ過ちを犯さないという自戒の意味も込めて、どんど焼きの写真撮影に失敗した私が、初めてでも失敗しない撮影のタイミングとポジションをポイントごとに紹介します。

※2021年は神事のみの開催となり、左義長ばやしなどを見ることはできません。どんど焼きの実施方法も例年とは異なるため、来年以降の開催を楽しみにお待ちください!

勝山左義長まつりとは

300年以上もの歴史がある、福井県を代表する伝統行事、勝山左義長まつり。

福井県の無形民俗文化財にも指定されており、おどけて浮かれた仕草でお囃子・浮き太鼓を披露する左義長ばやしが特徴的で、奥越に春を呼ぶ奇祭とも言われています。
(奥越=勝山市、お隣の大野市周辺)

勝山左義長まつりの詳細&行って来ましたレポはこちら>>春を呼ぶ奇祭『勝山左義長まつり』はみんなが笑顔になれるキュートな伝統行事でした

勝山左義長まつりのどんど焼きとは?

各地区のお囃子を楽しもうと、県内外から、まちの人口を数倍も上回る観光客が訪れる勝山左義長まつりですが、お囃子以外にも大きな見所があるのをご存知ですか?
それが、2日間のお祭りのいわばフィナーレである、どんど焼きです。

実は左義長とは、小正月(1月中旬)に行われる火祭りのことを指し、その年のお正月飾りを焼くことが目的の行事。
勝山市だけでなく、全国的に行われているものです。

勝山左義長まつりでももちろんどんど焼きが行われますが、この規模が他と比べてかなり大きいんです。
どんど焼きは、お正月飾りを取り付けた御神体を燃やすだけなので、簡単に言えば、
火がバーっと上がって、すごーいって感動する!
ただそれだけなのですが、14基の御神体を一斉に燃やす光景はかなりの迫力!
お囃子だけを見て満足しがちですが、どんど焼きまで楽しんで帰りませんか?

勝山左義長まつりの前日に用意されていた上袋田区のご神体

点火前

今年は20時からどんど焼きが始まる予定だったので、お囃子や屋台を楽しんでからどんど焼きの時間まで、休憩所となっている市民会館で休憩することに。
暖房効きすぎ!って思うくらいに暖かいので、休憩はここがおすすめです。

が、暖かすぎて爆睡してしまい、気がついたときにはすでに19時50分に!
それでも、20時からのどんど焼きは十分見られるだろうと思いながら早足で会場に向かったのですが、信号待ちで橋の上に何かを発見!

松明を持った人々の列がどんど焼き会場に向かっていくところでしたが、急すぎて全く撮れませんでした!

あとで調べたところ、これは御神火送りの様子でした。
どんど焼き開始の15分ほど前に神明神社で御神火送りが行われ、松明を持った人々が、どんど焼き会場の弁天緑地に向かって練り歩きます。

御神火送りの様子

15の松明の行列がどんど焼き会場に向かう姿はかなりフォトジェニック!
ギリギリの時間に行ったことで、この光景をしっかり写真に収めることができなかったことが大後悔でした。

写真を撮るなら、弁天緑地上の勝山橋のたもとから郵便局あたりで待つのがおすすめ!

尊光寺付近から撮影 photo by instagram @nix411

この写真は、勝山市の地域おこし協力隊の方が撮影したもの。
尊光寺付近から撮影したそうですが、ちゃんと全体が写っています!

橋の脇から弁天緑地に降りる途中でカメラを構えている人、最初から緑地に降りている人も多かったですが、一番大事なポイントは、撮影する場所を事前に決めておくこと!
私のように後ろから追いかけてあたふたしていると、御神火送りもこの後の点火の瞬間も何も撮れずに終わるので、気をつけて><

私は御神火送りが満足に撮れなかったので、弁天緑地までひたすら追いかけてしまいましたが、結局なんとかピントが合ったのが点火直前でした。

どんど焼き点火の瞬間

御神火送りをある程度撮影したら、全体像を撮影したい場合は橋の上に、点火の瞬間を近くで撮りたいときは弁天緑地に移動しましょう。
どちらかというと、橋の上から撮ってから下に移動した方が楽チンな気がします。

私は御神火送りが満足に撮れなかったので、弁天緑地までひたすら追いかけてしまいましたが、御神火送りが到着してまもなく、一気に火が上がってしまいました。

御神火送りの列を撮影して(紹介した通り失敗しました!)、
点火する手元を撮って(位置取りが悪くて失敗)、
火が上がったら上から全体を撮ろう(一瞬だった…)
と思っていた計画が完全に崩れました笑

どこから撮ろうか迷っているうちにどんどん火は小さくなるし、かろうじてピントが合ってた写真がこれでした…

なんでこんなことになったのかというと、「弁天緑地」という名前に騙されがちですが、勝山は雪の多い地域です。
緑地とは言っても冬は真っ白で、どんど焼きから離れると、数十センチの雪が積もっている場所もありました。
福井弁だと「がぼる」と言いますが、積もった雪にはまって上手く歩けず、思うように移動ができなかったのです。

写真撮影の位置だけでなく、装備にも注意が必要。
長靴は、雪にも対応できるしっかりした長いものをおすすめします!

ちなみに、弁天緑地内でしっかり位置取りができていれば、こんな風に写真を撮ることができます!

photo by instagram @nix411

出典:白山平泉寺 フォトギャラリー  グランプリ 「火龍」 photo by 大塚 雅洋氏

ちなみに、橋の上から撮るとこんな感じのアングルになります。

この写真は点火から5分以上経っているので火が小さくなっていますが、点火直後なら大きな火柱を撮影することができます。
橋の上もそこまで混雑しているわけではないので、点火前から位置取りしておけば、いい写真が撮れるはずです!

出典:白山平泉寺 フォトギャラリー「炎と雪の共演」 photo by大塚雅洋氏

橋の上も下も、写真を撮るのに困難なほど人がいるわけではないので、この点はとっても楽チンでした。

燃やしている途中

全体像が十分撮れたら、橋の上にいる場合は下に移動しましょう。
20分もしないうちに火が小さくなってしまうので、早めに下に行くのがおすすめです。

ロープが張ってあるので観客はその周りから見るのですが、人だかりはだいたい2.3列くらい。
かなりゆとりを持って見ている人が多いので、すり抜けていけばすぐに最前列にいけます!
(この時は例年よりも少し人が少なかったそうなので、通常はもう少し混雑する可能性があります。)

大きな火がそこかしこで上がっているので、とってもあたたかいですよ。

うまく全体が燃えるように調整している方の姿もかっこいいです。

もっと近くでどんど焼きを見る

点火から20分ほどして火が小さくなってくると、不思議なものを手にした人たちが増えてきました。

どうするんだろう?と思いながら見ていると、御神体に近づいてもいいとのアナウンスが聞こえてきました。
そう、このロープ、くぐっちゃっていいんです。
近くまで寄ってどんど焼きを見て、あったまりましょう。

不思議な棒を手にしていた人たちはというと、なんとお餅を焼いていました。

熱い!美味しい!の声がそこかしこから聞こえてきます。

今年はこの地区の人しかお餅がもらえないようでしたが、普段は数に限りがあるものの、販売もしているんだそうです。

実はこれは後燃やしと言う伝統にのっとったもので、昔はどんど焼きの翌朝に残り火でおかゆを炊いたり、餅を炙ったり、灰を体に塗って無病息災を願ったりしていたそうです。

火が小さくなるとほとんどの人が帰路につきますが、誰もいなくなった橋の上から火が消えるのを見守るのも、また風情がありました。

※2021年は神事のみの開催となり、左義長ばやしなどを見ることはできません。どんど焼きの実施方法も例年とは異なるため、来年以降の開催を楽しみにお待ちください!

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