ファン-マヌエル・コレア、スパでの大事故を乗り越えレースに復帰。2021年はARTグランプリからFIA-F3に参戦

 2019年にスパ・フランコルシャンで行われたFIA-F2第9戦のレース1で発生した多重クラッシュにより、アントワーヌ・ユベールが亡くなり、ファン-マヌエル・コレアも重傷を負った。だがコレアは、2021年はレースに復帰し、ARTグランプリからFIA-F3選手権に参戦する。

 スパでの深刻な事故で、コレアは両足の骨折や軽度の脊椎損傷などの重傷を負った。26回の手術を受けた後、彼はこの12カ月間に機動性と体力を取り戻すため必死のトレーニングを行った。

 コレアは、正確には以前の場所に戻るわけではない。彼は前進を再開するために、F3に戻るのだ。

「まず第一に、僕が(事故や怪我を)乗り越えた後で復帰することができてすごく嬉しい」とコレアは語った。

「ARTグランプリには心から感謝している。彼らが僕と僕の復帰を信じてくれていることは、僕にとって大きな意味を持つ」

「F3は移行の年だ。僕の夢は今もF1に到達することだから、これは僕の復帰の第一歩だ」

「僕の目標は、自分自身よりも少し先を行っている。なぜなら僕はまだやらなければならないことがたくさんある。1年半クルマをドライブしていないし、学ばなければならないことが多く待ち受けている。オープンマインドで今シーズンに臨んでいくよ。自分にプレッシャーをかけずに、ベストを尽くす。僕は自分の好きなことをするのだから、すでにそれだけでも勝利なんだ」

2020年F1第7戦ベルギーGP 故アントワーヌ・ユベールの事故現場で祈りを捧げるファン-マヌエル・コレア

 ARTグランプリのマネージングディレクターを務めるセバスチャン・フィリップは、チームがコレアのモータースポーツキャリアの再開を助けることを誇りに思っていると述べている。

「2019年8月30日のスパでの酷い事故以来、ファン-マヌエルは多くの段階を経てきた。彼は、可能な限り高いレベルでレースを続けるという夢を諦めたくないという思いを胸に、常に戦っていた」

「ファン-マヌエルは勇気と不屈の精神の見本であり、ARTグランプリは彼にレース復帰のチャンスを与えることを誇りに思っている。彼は精神的に非常に強靭で、可能な限り体力を整えるために今も戦っているし、野心を持っている」

「ステアリングを握っているときの彼の才能は計り知れない。ゴーカートとモータースポーツにおける最初の数年で彼が達成したことにそのことが示されている」

「ファン-マヌエルのキャリアを再開するために彼とともに進み、彼がもう一度ハシゴを登っていく手助けをしたいと切に願っている。彼は才能と経験によってチームに恩恵をもたらしてくれるだろう」

 FIA-F3選手権は、F1スペインGPのサポートレースとして、5月8日にバルセロナで開幕する予定だ。

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