あたしはそれを我慢できない…緊急事態宣言延長で〝銀座クラブ好き議員〟に禁断症状

頭を下げる菅首相(ロイター)

緊急事態宣言の延長が2日に決まった。11都府県に発令されていた緊急事態宣言は栃木県のみが解除となる。東京を中心とした10都府県は3月7日まで延長。菅首相は国会で「結果として宣言を延ばすことになり、国民に大変申し訳ない」と謝罪した。

その一方で、政治家だけは元気だ。松本純、大塚高司、田野瀬太道の3氏が宣言下にもかかわらず東京・銀座の高級クラブに深夜まで滞在していたことは大問題になり、3氏は自民党離党にまで追い込まれた。また、公明党の遠山清彦氏も宣言中に銀座のクラブへ行っており、議員辞職している。

そんな調子だけに、政治家たちは銀座のクラブをあと1か月も我慢できるのか? 元衆院議員で弁護士の横粂勝仁氏は「我慢できない人がいたらバカな方とのお墨付きになりますね。ただ、誰かはいるんじゃないでしょうか」と“我慢できない”に1票を入れる。

政治家の中でも特に自民党議員にとって銀座クラブは重要な場所だという。「永田町で出世するためには先輩や後輩に好かれ、仲間をつくらないといけません。そのための“飲みニケーション”をする時に秘密保持もできるクラブが重宝されるのです。居酒屋でいいとはならないのです」(横粂氏)

こうした仲間づくりを、選挙区で行う地元活動と対比して「永田町活動」と呼んでいる。「大臣や首相になるためには能力より誰が好きか嫌いか。その意味で飲みニケーションが永田町では意義が大きい」と横粂氏は指摘した。一緒に過ごす時間が増えるほどつながりが深くなっていくという理屈だ。

会食が問題となった時も政治家たちは会食ルールすらまとめることができなかった。宣言中ではないが、昨年末には菅首相自身、ステーキ会食をして批判されている。一部報道では会食できないことが菅首相のストレスになっており、情報収集もできず政権運営に影響が出ると指摘されていた。

「政治家はほかの人よりも食欲、金銭欲、性欲、名誉欲が旺盛な人がなっている。毎日、コンビニや牛丼ではいられない。陳情や意見交換なんて言い訳に過ぎませんよ。性(さが)として染みついているから、緊急事態宣言の今でも止められないんです」(横粂氏)

菅首相は2日の記者会見で3人の離党について「我が党に所属していた議員が深夜まで会食していた問題はあってはならないことであります。素直におわびを申し上げる次第でございます」と頭を下げた。あと何回謝ることになるのか。

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