アレナード放出のロッキーズ 完全なチーム解体は行わない方針

スター三塁手のノーラン・アレナードを1対5のトレードでカージナルスへ放出したロッキーズだが、完全なチーム再建へと舵を切るつもりはないようだ。日本時間2月3日、ジェフ・ブライディッチGMはオンライン会見のなかで「これは完全なチーム解体や再建ではない。もしそうだとしたら、すでにトレードされている選手がいるはずだ」と再建を否定。また、噂されているトレバー・ストーリーの放出についても「ロッキーズで開幕を迎えるだろう」と否定した。

ディック・モンフォート会長によると、今回のトレードはアレナード自身が移籍を希望した結果、行われたものだったという。「これはノーランの選択だった。彼が移籍を望んだんだ。我々はノーランの希望を尊重し、現時点でベストだと思われる手段を取った」とモンフォート。トップ・プロスペクトを1人も獲得できず、5100万ドルもの金銭を負担する今回のトレードには批判の声も集まっているが、ロッキーズにとって苦渋の決断だった。

しかし、今回のトレードがチーム再建開始の合図となるわけではないようだ。ブライディッチは完全なチーム再建へと舵を切ることを明確に否定し、「我々は非常に才能豊かなチームだ。彼らは優勝争いをするために集まっている」と語っている。スター遊撃手のストーリーについても「トレバーが正遊撃手としてチームにいてくれるのは本当にありがたい」と放出を否定。ただし、「今後数ヶ月のうちに何が起こるかを予測するのは難しい」と付け加えることも忘れなかった。

ストーリー自身もホゼ・レイエスのDV疑惑による出場停止でチャンスを掴み、スター遊撃手へと成長した選手である。ロッキーズは今回もアレナードの移籍をきっかけに、ライアン・マクマーンやブレンダン・ロジャースといった若手内野手たちが確固たるレギュラーへ成長することを期待しているようだ。フロントオフィスの期待通りに新たなスターが誕生すれば、将来の展望は一気に明るくなる。

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