辞職届を提出した河井案里被告の摩訶不思議なエピソード

辞職願を提出した河合案里被告

2019年の参院選広島選挙区の買収事件で、公職選挙法違反の罪に問われ、有罪判決が出た河井案里被告(47)が3日、山東昭子参参院議長(78)宛に辞職願を提出した。

案里被告の控訴期限が今月4日に迫っており、有罪が確定すれば当選無効で失職するため、このタイミングで辞職届を提出したものと見られているが、これに先立ち自民党幹部に電話で「お世話になりながら、何もできずに申し訳ありません」と謝罪したという。

辞職届を出すため既に離党した自民党幹部にわざわざ連絡したとは、摩訶不思議がまかり通る永田町ならではのエピソードとして受け止められている。

案里被告の選挙戦は、自民党岸田派の溝手顕正前参院議員を落選させようと、当時の安倍晋三前首相(66)と二階俊博幹事長(81)が主導し「保守分裂選挙」として世間の話題を集めた。

「案里被告の選挙にタッチしていない自民党議員たちにしたら、迷惑な話ですよ。夫・克行被告は案里被告の選挙戦で、広島県議や市議などに票の取りまとめをしていたんですからね。河井夫婦は当時の党執行部とベッタリぶりは異様でしたよ」(自民党秘書)

案里被告の辞職に伴う参院広島補欠選挙は4月25日の衆院北海道2区、参院長野選挙区と同じ日程となった。

「去年の総裁選で菅義偉首相に負けた宏池会の岸田文雄会長は、本拠地の広島で地盤を固めたいはずです。岸田氏は補選を弾みに、9月の総裁選で菅首相に戦いを臨むでしょう」(永田町関係者)

一方で、案里被告に有罪判決が出た直後から議員辞職を求めてきた野党はなおも追及を緩める姿勢を崩しておらず、「自民党は政党として案里被告の選挙資金の流れを説明する責任が残されています」と声が上がっている。

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