柳錫春教授の授業全録音公開!「慰安婦は売春の一種、日本にだけ責任を問うことではない」|メディアウォッチ編集部 「慰安婦は売春の一種、日本にだけ責任を問うことではない」―授業中に行った発言により大学を追われ社会から抹殺された柳錫春前延世大教授。この度、柳教授の授業を録音した音声を独自に入手した韓国メディアウォッチが、その全貌を明らかにする。柳教授が語った韓国社会でタブー視される慰安婦の不都合な真実。

学生たちに大人気だった教授はなぜ大学を追われたのか?

2019年9月、社会学の授業中に学生たちと慰安婦問題と挺対協問題を討論して、最近検察起訴までされた柳錫春前延世大教授。検察は柳前教授による授業中のどのような発言に言いがかりを付けたのだろうか。

柳前教授は当時授業中、女子学生Aに言った「気になるのなら、一度(研究を)してみたら?」という発言によって即刻延世大倫理人権委員会に回付され、外部団体等によって侮辱罪で告発もされた。しかし検察は実際、柳前教授の該当発言に関する問題は今回の起訴過程で全く扱わなかった。
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検察が争点化したのは、柳前教授が女子学生Aとの質疑応答以後、別の学生と質疑応答を続けながら行った発言「慰安婦は売春の一種」、「挺対協が『慰安婦』を(強制連行だと証言するように)教育した」、「『挺対協』は北朝鮮に追従している」等と関係する。検察は柳前教授のこうした発言が虚偽事実だとして、慰安婦と挺対協の名誉を棄損したという立場である。

柳錫春前教授は授業の度に、学生たちと忌憚のない討論をすることで在職時代から有名だった。以前、朝鮮日報等のメディアが柳錫春延世大社会学科教授(当時)の講義室を訪ね撮影した写真

本紙メディアウォッチは、挺対協が以前法院(裁判所)に提出した当時延世大の授業録音物を入手、柳錫春教授が学生たちと慰安婦と挺対協に関して、実際具体的にどのような質疑応答がなされたのか、今回は特に検察の起訴争点を中心に内容そのままを公開する。

「慰安婦は売春の一種、日本にだけ責任を問うことではない」

確認の結果、柳前教授は質疑応答冒頭から売春問題の歴史的、世界的普遍性を説いていることが分った。そして、人類において常に存在して今後も存在せざるを得ない社会的性道徳問題に対して、日本にのみ責任を問う韓国社会の偽善と二重性問題について、学生たちと長時間対話を続けた。

「日本という国家だけがこうした犯罪をしたのではなく、世界中の国家がこうした売春を黙認していますね、現在。オランダに行けば集娼村が未だあります。

(中略) オランダ政府が放置しているのではないですか? なぜオランダ人は放置するのか? だから、全て日本が誤ったと執拗に追い込もうとするのが挺身隊、慰安婦対策…あの人たちですが、わが国政府も米国政府もオランダ政府も、いずれも同じ問題を抱えている訳で、もちろんそれを道徳的に誤っていると判断すべきです。私もそう思います、道徳的に。しかし(売春は)存在するのです、それは。存在することを、日本に対してだけ罵る、おかしなことです。

(中略)否、朝鮮時代にも売春があったので朝鮮政府が責任取るべきことではないのか? その話はなぜしないのか? なぜ日本だけを掴まえて、この話をするのか。理解できない? 日本を憎むフレームに完全に取り込まれているのです、いまの質問のアングルが。全世界に、ユビキタスの中にあるのが売春です。歴史的に、昔から現在まで続いており、今後もあり続けると私は思います。道徳的には誤っていますが、存在するのが現実です。

(中略)日本のみならず、全ての国に対して同じ問題提起するとか、現在大韓民国政府も放置しています。文在寅も放置しています。江南に一度行ってごらんなさい。どれほど多くの売春が存在しても、皆知らん顔していますね。インターネットにアクセスしてごらんなさい。お兄さんがどうのこうの、毎日目にします、私も。皆さんも経験していますよね、現在。インターネットを立ち上げるとあれやこれやですね毎日、なぜそれを放置しているのか。文在寅政府はその話をなぜしないのか。同様にしなければならないでしょう」

柳前教授は、慰安婦について、日本政府または日本の軍隊が朝鮮の女性たちを強制連行して性奴隷にしたという一部の説は事実ではなく、関係学界の研究を引用して慰安婦は売春の一種であるだけで、日本が直接的な加害者ではないことを重ねて強調した。慰安婦問題で強制連行説と性奴隷説を明確に否定したこの発言内容は現在、柳前教授が刑事裁判に掛けられた最大の核心的争点になっている。

「直接的な加害者が日本でないのだから、売春の一種なのだから。(中略)現在(『反日種族主義』の著者である)李栄薫が語ることです。(慰安婦募集は)民間がしたことであり、国家が放置したということです。これが事実ということです。日本が、日本国家、日本の軍隊が主導したのではないということです、いま話すことは。しかし、皆さんはそのように(強制連行説と姓奴隷説が事実だと)知っているのですね。それが誤りだと話しているのです、私は。(皆さんの)メンタル崩壊が訪れることでしょう。それまでに知ったこと、自分が誤っていた、あの人は自分がよく知らなかったと話すのに、それに気付けばメンタル崩壊するであろうに、とにかくよく知らないのですよ、ただ。『日本国家、日本の軍隊が売春を主導した』と思っていますね。『それは違う』と話しているのです、現在、李栄薫と私と多くの人々が。本人の意志というのは、現在売春に手を染める人々は本人が100%、『自分で積極的に売春しよう』と言いながら入りますか? 違う。売春に対する疑心と躊躇、それがありながらも連れて行かれます、なし崩し的に。それで売春が生じた。その全く同じ過程があったはずです」

柳前教授は、慰安婦たちが慰安所に行くことになった経緯について、初期の証言は「自意半分、他意半分」だと語っていたが、後日の証言は全て『強制連行』に変わったとして、その背景に挺対協があると指摘した。検察は、こうした発言も柳前教授が挺対協の名誉を虚偽事実で棄損したと見なした。

「よって、いわゆる挺対協が割り込んでハルモニたちを一堂に集め、教育をしました。そして、同じ言葉を言うようにした。挺対協がなかったら、この方たちも各自散らばって各々の人生を送ったことでしょう。過去に自分がそのような生活をしたことについて、大袈裟に語ることはなかったでしょう。いまはある種、(暗い過去を)恥ずかしげもなく叫んでいます。自分が過去にそうした生活をしたということを話し、テレビに出て騒いでいますね。かつては、いわゆる日帝が終わった直後にはネズミが死んだように帰って行って、そのまま暮らした方々です。この方々が年月を経て、歳月が過ぎて、いま挺対協が割り込んで国家的にお前たちは被害者だ、だから全く同じことを語る人々が集まり互いに『リインプット(reinput)』している。互いの記憶を新たにフォーマットして」

柳前教授は、挺対協は北朝鮮に追従する団体であり、統合進歩党幹部と挺対協幹部が絡む問題も指摘した。検察は柳前教授のこの発言も、虚偽事実名誉棄損という立場だ。

「挺対協の核心幹部たちが、統進党幹部であることはご存じですか? 挺対協の活動している人たちと統進党幹部たちとは絡んでいます。それをご存じですか? 証拠を私が後でお見せしましょう。挺対協が本当に純粋に、慰安婦ハルモニためだけの団体でしょうか? 大韓民国を覆そうとする団体です。慰安婦ハルモニたちというよい飯の種があるのです、皆さんのように優しいひとたちの心の琴線を揺さぶるのです。

(中略)『挺身隊ハルモニ』という名称も当初から変ですし、今なら名称を変えたでしょう。その団体が最初作られた時の活動が、北朝鮮と連携していたと私は見ています。いま統進党の核心幹部たちが挺対協の活動をしていると言うのです。統進党は北朝鮮と近いことは認めますね? 統進党を解散させたことが朴槿恵の誤りだと? 統進党の李石基のような奴らは、北朝鮮の手先なのです。北朝鮮に追従する人々が裾野を広げるために、青年たちの義侠心に火をつけるために挺身隊問題協会という団体を作り、慰安婦ハルモニたちを利用しているのです」

柳前教授はもちろん自身のこうした発言は全て事実であり、何の問題も無いという立場だ。柳前教授は、最近、検察の3つの起訴争点全てに反論し、学問の自由と真実のために闘争するという意志を明らかにした。

(関連記事:柳錫春「慰安婦-挺対協裁判、最後まで闘い勝利する」 https://www.mediawatch.kr/news/article.html?no=255286)

「やってもいないことを日本がやったと言うことは不義」…「事実に基づかない正義は無い」

本紙が確認した結果、録音物には柳錫春前教授が韓国社会が慰安婦問題の誤謬を正す必要がある理由について説明する箇所も出てくる。質疑応答が終わる頃、一人の女子学生が柳錫春前教授に「慰安婦問題で誤謬を正し、また事実関係を正そうとする目的は何か、発展社会学とそれが何の関係があるのか」と問うと、柳前教授はこのように答えた。

「日本よりもっとよく暮らせる国になればよいのです、わが国が。より自由に、より豊かに、より創意に溢れて、世界最高の国家になればよいのです。ただ各自がよく暮らせば、全てよくなるのではありません。皆さん各自が立派な人間になって、創意的で自由に。税金もきちんと払って。曺国(チョグク)の娘のように不正入学せず。自分の実力で生きなくては。

(中略)事実が、正義と不義を分けるものですが、やってもいないことを日本がやったと言うのは不義ではありませんか。やったことをもって話さなくては。事実に基づかない正義はありません。事実に基づいてこそ正義が現れるのです。やってもいないことをやったことにして誰かを殺せば、多くの人が、それこそ魔女狩りでしょう」

柳前教授は引き続き、社会発展のために韓国社会の青年たちの真の正義感が必要だと力説する。既存左派たちが作った素材ではなく、青年たちが新しい素材や主題で正義具現を図り、不条理を正す努力をすべきだと言うことだ。

「皆さんが異常に日帝時代の慰安婦ハルモニに対してこれ程までに同情しながら、なぜ現在売春業にいる女性たちには同情しないのでしょう? その人たちに同情してください、どうせなら。その人たちが、何か良い道に行けるように努力をして下さい。なぜ、その人たちをそこで働かせて、なぜタイの女性がここまで売られてきてマッサージをするようになったのか。それを正してください。なぜそれは放置して、100年前のことで騒ぐのか。目前で繰り広げられていることは見て見ぬふりをして。新村ダウンタウンに行ってごらんなさい。皆大酒を飲んでいる裏路地に行けば、まさにこれらのことが展開されているのに、知らないと言うのですか? これを見て見ぬふりすることは卑怯なことです。他人がお膳立てして所に、ただスプーンだけを持っていく。そう、皆さんが場を作ってみなさい。皆さんが見て誤りがあれば正せば良い、今こそ。なぜそれは正さず、なぜ100年前に家が貧しく家計を助けようと戦線に赴いたあのハルモニたちを利用するのか。いま現在行われているのです。江南に行けば、新村に行けば売春業が盛んですが、あの売春業をなくす努力をして下さい、どうせなら。そのことは見て見ぬふりをしながら、卑怯です、皆さん。挺身隊協議会が整えた御膳に、皆さんがつまらぬ正義感にすがりついて社会正義を遂行すると騒ぎ立てていますが、つまらぬことです」

柳前教授は、授業当時(2019年9月)メディアを通じて本格的に問題提起が始まった曺国前法務部長官の娘の不正入学問題を論じた。柳前教授はこれに憤ることが、過去史慰安婦問題に憤ることより、現在の青年たちにはより社会的に要求されることではないかと反問した。社会発展は当代の不条理打破にかかっているという、柳前教授の哲学を重ねて力説する部分だ。

「皆さんにこのような正義感があれば曺国の娘よ降りてこい、曺国よ降りてこいと言わなければならないのに、その集会はしない。朴槿恵とか鄭維羅(チョンユラ)とかに対しては大騒ぎをするのに、曺ミンのために鄭慶心が、狂ったXが表彰状まで全て偽造したと言うのに、全て明らかになっているのに。あぁ、鄭維羅は馬に乗ってメダルを取ったじゃないか、実際。あいつ(曺ミン)がしたこと、何かあるか? 父母との巡り合わせが良かっただけで、詐欺を働いてきたのに、それで医師になるって? ロウソクを手に出掛けるべきだ、水曜集会のように毎日すべきなのではないか。その正義は叫ばず、挺身隊協議会のつまらぬ正義は叫ぶ。そうやって非常に良心的な人間だと思い込んで生きているのだ、まったく嘆かわしい。今日はこの辺で。来週にしましょう」

柳錫春前教授の授業中の発言に対する検察の起訴は果たして正当なのか。この問題は、判事のみならず読者と大韓民国国民も進んで判断すべき問題であると思われる。

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