【2021.02.04配信】ドラッグストアをはじめ卸やメーカーが参画して商品流通の在り方を話し合う勉強会の「ドラッグストアMD研究会」(DMS)は2月3日、「OTC販売規制緩和に関する緊急セミナー」をオンラインで開催した。その中で、「遠隔管理販売」に関して、「検討会で議論することになる」と予測。特に「実地での管理」がオンラインでどこまでできるのかが検討の焦点になるだろうと指摘した。
日本フランチャイズチェーン協会が昨年10月21日に、内閣府規制改革推進会議医療・介護ワーキング・グループに対して、コンビニエンスストアでの一般用医薬品の販売に関して規制緩和を求める要望書を提出したことを契機に緩和の方向が進んでいる。
講演したDMSの横田 敏氏は、「2分の1ルール」(営業時間の半分以上を医薬品販売の時間にする規制)については、「2月上旬から3月上旬にパブコメの募集がされ、4月から撤廃となるだろう」と予測した。
「24時間中6時間でもよいのではないか」といった要望も出ているが、規制改革推進会議の場で、河野太郎行政改革担当大臣が「事業者に任せればよい」と発言していることからも「緩和」ではなく「撤廃」となるだろうとした。
一方、「遠隔管理販売」に関しては、ルールを議論するために「検討会が始まる」とした。「検討会が新設されるかどうかは別としても、どこまでリモートでできるのかの検討が始まる」と指摘した。
これについては検討会で年内に結論、2022年4月から施行となるだろうとした。
遠隔管理販売で問われているのは、情報提供や実地での管理だが、横田氏は「情報提供のあり方はネット販売の時にさんざん議論した」としてオンライン活用での課題は少ないとの見方を示し、検討会での焦点は「実地での管理がオンラインでどこまでできるかの検証だ」とした。
管理業務としては、例えば勤務する従事者の監督や構造設備の基準が遵守されていることの確認、陳列されている医薬品の品質確保などがあり、横田氏は「こうしたことが本当にオンラインでできるのかどうか」と疑問を呈した。
また、実地の管理がオンラインでできるかについては厚労省内でも懐疑的な意見があると指摘し、「薬剤師や登録販売者の実地の管理業務が政府関係者などにも目に見える形で理解できるようにすることも必要」とした。
一方で、「時代は変わってきた」とし、ドラッグストアもオンライン活用によって役割をどう果たすかは重要なテーマになってきたとの考えを示した。
「オンライン診療などが広がる中でドラッグストアだけがオンライン活用に関わらないということはあり得ない。オンラインでもどう果たすのかが問われている。調剤と物販の壁も取っ払い、役割を果たしていくべきではないか」と提案した。