レイズがオズーナに興味 獲得成功なら筒香はさらに苦しい立場に

ネルソン・クルーズがツインズとの再契約に合意したことが明らかになり、次はマーセル・オズーナの動向が注目されている。今季はナショナル・リーグで指名打者制が採用されない可能性が高く、昨季ナ・リーグ二冠王に輝いたオズーナは「指名打者を欲しがっているア・リーグのチーム」か「1年を通して外野の守備を任せてくれるナ・リーグのチーム」を見つける必要がある。そして、その候補としてレイズの名前が浮上しているようだ。

オズーナは昨季の60試合中39試合に指名打者として出場。しかし、左翼手として19試合、右翼手として2試合に出場したように、決して指名打者専門の選手ではない。ここがクルーズとの大きな違いなのだが、外野手としてオズーナを獲得しようとするチームは現れていない。指名打者で出場した39試合で打率.362、14本塁打、40打点、OPS1.155という素晴らしい成績を残したため、「指名打者が最適」と判断されているのかもしれない。

ア・リーグの各チームの指名打者事情を見てみると、アストロズ(ヨルダン・アルバレス)、レッドソックス(J・D・マルティネス)、ヤンキース(ジャンカルロ・スタントン)といった資金力が豊富なチームにはすでにレギュラーの指名打者が存在する。近年は主力に休養を与えるために指名打者の枠を活用するチームも多く、レギュラーの指名打者を抱えることを嫌うチームもある。よって、オズーナがフィットするチームの選択肢はそれほど多くないのが実情だ。

そんななか、「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマンは昨季ア・リーグ王者のレイズがオズーナの獲得に興味を示していることを伝えている。ただし、「レイズがオズーナを獲得するためには、オズーナ側が希望条件を引き下げる必要がある」と語る関係者もおり、オズーナが大型契約を求め続ける限り、レイズが獲得するのは難しいとみられている。

地元紙「タンパベイ・タイムズ」のマーク・トプキンは「低価格の1年契約なら可能性がある。ナ・リーグのチームから好条件のオファーがなければ、レイズは彼に指名打者としての出場機会を与えることができる」と分析。レイズは鉄壁の外野守備(左翼ランディ・アロザレーナ、中堅ケビン・キアマイアー、右翼マニュエル・マーゴ)がチームの強みの1つとなっており、オズーナを外野手として獲得する可能性は低い。よって、オズーナを獲得した場合は指名打者で起用することになり、指名打者から弾き出されるオースティン・メドウズが右翼に入り、マーゴが外野4番手としてベンチに控えることになるだろう。

メジャー2年目を迎える筒香嘉智はレギュラーポジションを保証されておらず、現時点では指名打者、左翼、三塁の控えという立ち位置だが、オズーナが加入すると完全に居場所がなくなってしまう。オズーナが加入する/しないにかかわらず苦しい立場にいることに変わりはなく、出場機会を確保するためには、スプリング・トレーニングでの猛アピールが必要だ。

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