カマラ・ハリス米副大統領のD&G愛用にSNSで非難 そのワケは?

カマラ・ハリス米副大統領(ロイター)

日本では昨年、瑛人の大ヒット曲「香水」で注目を集めたイタリアの高級ブランド、ドルチェ&ガッバーナ(D&G)だが、米国ではカマラ・ハリス副大統領が同ブランドの服を愛用しているとしてSNSで非難されているのだ。その意外な理由とは――。

アフリカ系と南アジア系のハーフで、初の女性として副大統領に就任したハリス氏は、先月の就任式で黒人デザイナーによるマイナーブランドの服を着用した。米メディアは〝新たなファッションリーダーの登場〟として同氏を絶賛。米ファッション誌「ヴォーグ」2月号の表紙を飾ったことも話題になった。

そんな中、英紙インデペンデントなどはハリス氏が先日、バイデン大統領との昼食会でD&Gのタートルネックセーターを着用し、イエレン財務長官の宣誓式でも同ブランドのチェック柄グレースーツを着ていたと報じた。

同誌はまた、ホワイトハウスでバイデン氏が大統領令に署名した際もハリス氏はD&Gのジャケットを着用したと伝えた。

実はD&G、近年は広告内容やデザイナーの発言をめぐり、人種差別的だとして猛批判を浴びているのだ。

2018年には中国人モデルがイタリア料理を箸で食べている広告が人種差別だとして問題になり、セレブを中心にボイコット運動が広がった。

その影響もあり、D&Gは上海ファッションショーの参加を中止。同ブランドのデザイナー、ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナ両氏は謝罪に追いやられた。

また、この年にはガッバーナ氏が「日本人などにD&Gをデザインしてもらいたくない」と人種差別発言。米人気歌手セレーナ・ゴメスについても同氏はインスタグラムで「すごいブス」とコメントし、大炎上した。

そのD&Gをハリス氏が頻繁に着用したことに、同氏のファッション性を特集するサイト「カマラズ・クロゼット」の管理人、ビットリア・ビニョーネ氏は「何かの間違い?」と問題視。「間違いだとしたら恐ろしくだらしない」とハリス氏のスタッフを糾弾。就任式での高評価を台無しにするものだと憤った。

インスタグラムなどSNSでも「初の有色人種の副大統領が誕生なのに失望した」などとする声が広がっている。

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