初期ブラック・メタル・シーンの中核的存在「メイヘム」の狂乱の青春を描いた映画『ロード・オブ・カオス』、戦慄の日本版予告映像が初解禁!

来たる3月26日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにて劇場公開される狂乱の青春映画『ロード・オブ・カオス』の日本版予告映像が解禁となった。教会連続放火から殺害事件と歯止めが効かずに過激化してゆくインナーサークルと共に、転がり落ちてゆく主人公たちの姿を捉えた漆黒の予告編となっている。

同時に、長らく絶版となっていた本作の原作である『ロード・オブ・カオス ブラック・メタルの血塗られた歴史』が映画公開に合わせて復刊することも決定した(以下の書影は原書の書影)。

悪魔崇拝主義(サタニズム)を標榜し、過激なライブパフォーマンスと死化粧で世界のメタル・シーンを席捲、初期ブラック・メタル・シーンの中核的な存在となったバンド「メイヘム」の狂乱の青春を描いた本作。

そしてバーズムのヴァーグ・ヴァイカーネス(元メイヘム)への獄中インタビューや「悪魔教会」教祖のアントン・ラヴェイを含め、多数の主要人物や専門家への取材を踏まえつつ、音楽的な歴史からオカルト/悪魔崇拝の歴史、北欧における異教信仰やナショナリズムの在り方など社会的・文化的・心理学的な背景を丁寧に探った原作。共に必見必読だ。

本作『ロード・オブ・カオス』は、傑作ノンフィクション『ブラック・メタルの血塗られた歴史』を原作に、世界をリードした音楽と、いまだ解明されていない事件に触れた「メイヘム」の邪悪ながらも切なく尊く痛々しい青春を鮮やかに描く音楽ドラマ。

メガホンをとるのは、ブラック・メタルの父とでも言うべきバンド「バソリー」(Bathory)の元ドラマーであり、ローリング・ストーンズ、マドンナ、ポール・マッカートニー、メタリカなどのミュージックビデオも手掛けるジョナス・アカーランド。

当時のメタルシーン内部にいた監督ならではの演出と、関係者たちへの綿密な取材で“あの時代”の音楽と世界観を完璧に再現、メンバーの心情を繊細かつ大胆に活写した。

音楽を担当するのはポストロックバンドのシガー・ロス。メイヘムの楽曲の狭間、心揺るがす劇伴の数々を披露している。

主人公のユーロニモスを演じるのは、マコーレー・カルキンの実弟、ロリー・カルキン。準備に1年間かけ、役になりきった。ボーカルのデッドを演じるのは、ヴァル・キルマーの息子のジャック・キルマー。彼は、メタルの帝王オジー・オズボーンの『Under the Graveyard』(2019年)のミュージックビデオで、若きオジー役を演じている。

迸る音楽への情熱と歪んだ感情とが錯綜し、暴走する青春を駆け抜けた伝説のバンド「メイヘム」。バンドの名声を夢見ていただけの若者たちによる真実と虚構の物語が開幕する──。

【ストーリー】

1987年、ノルウェー・オスロ。19歳のギタリスト、ユーロニモスはボーカルのデッドたちとともに「真のブラック・メタル」を追求する全く新しいバンド「メイヘム」の活動に熱中していた。デッドは、ライブ中に自身の身体を切り刻み、観客にその血をかけた上、豚の頭を投げるなどの行為を繰り返し、その過激さもあってメイヘムは熱狂的にブラック・メタル・シーンに受け入れられる。しかしある日、デッドはショットガンで頭をブチ抜き、自殺を果たした…。発見者のユーロニモスは、親友の脳漿が飛び散る遺体の写真を撮り、頭蓋骨の欠片を友人らに送付し、喧伝することでカリスマ化。レコードショップ「ヘルヴェテ(地獄)」を根城に、“誰が一番邪悪か”を競うインナーサークルを作り、王として君臨するようになる。しかし、メンバーのヴァーグが起こした教会放火を契機に、主導権争いは熾烈化。歯止めが効かなくなった果て、彼らですら想像しえなかった狂乱が待ち受けていた。

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