「小中学生のトラブル抑止」佐世保市教委 ネットパトロール開始へ

ネットパトロールを行う佐世保市青少年教育センター=平瀬町

 佐世保市教委が新年度、インターネット上で同市内の小中学生の個人が特定されるような書き込みや画像がないかを監視するネットパトロール事業に取り組む準備を進めていることが5日、関係者への取材で分かった。
 小中学生に1人1台の端末を配備する「GIGAスクール構想」で子どものネット利用の増加が見込まれる中、トラブルのリスクを抑えるのが狙い。県内では県が2016年度まで同様の事業に取り組んだが、マンパワー不足などを理由に取りやめた。
 市教委などによると、パトロール事業は市青少年教育センターで補導業務を担う職員2人が担当。講習を受けた上で、週2日程度、子どもたちの利用が多い夕方の1~2時間活動する予定。主に、トラブルにつながりやすい会員制交流サイト(SNS)を対象に問題のある書き込みなどがないか監視し、発見した場合は学校に連絡する。
 同センターの担当職員は定期的に街頭を巡回しているが、昨年度の補導件数はゼロ。子どもの携帯電話所持率の増加とともに、ネット上での見守りが急務となっている。県は18年度から県青少年育成県民会議に委託し、パトロールの方法やSNSの現状を教員などに指導する講習会を開催。各学校での対応を呼び掛けている。
 市教委は新年度当初予算案に関連経費を計上する予定。同センターの近藤隆生所長は「どんな子どもでもトラブルに遭う可能性はある。適切に利用する力を育てながら、リスクを最小限にとどめたい」と述べた。

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