森喜朗会長を「追い詰める」発言の女性IOC委員 バッハ氏もビビる強硬派だった

いろいろな人を敵に回した森会長

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が女性蔑視発言で世界中から集中砲火を浴びる中、カナダのアイスホッケー女子五輪金メダリストで国際オリンピック委員会(IOC)委員を務めるヘーリー・ウィッケンハイザー氏の発言がとどめの一撃になるかもしれない。

同氏は4日、森会長が「女性が多い理事会は時間がかかる」と発言したことに激怒し、自身のツイッターに「この男を朝食のビュッフェ会場で絶対に追い詰める。東京で会いましょう!」と投稿。この過激なツイートは国内外に拡散され、大きな波紋を広げることになった。

実は今回の森発言について、IOCは頭を抱えていた。五輪参加者の男女比率を同等にする方針を掲げるIOCとしては、森会長を非難しなければ女性蔑視を容認することになる。

ある組織委幹部は「かなり対応に苦慮したと聞く。森会長を糾弾する選択もあったが、開幕まで半年を切った五輪を考えて、穏便に済ませようという結論に至った」と話す。

組織委と綿密に話し合ったIOCは4日、森会長の発言撤回を受けて「この問題は終わった」と幕引きを図ったのだ。

だが、そこへきてウィッケンハイザー氏が再び火を付けた。IOCのアスリート委員会に所属する同氏は〝大ボス〟トーマス・バッハ会長(67)の強権にも屈しない強硬派だという。IOCに精通する組織委関係者はこう話す。

「IOC委員はバッハ会長に指名されているので基本的に逆らえない。でも、アスリート委員会はアスリート選挙で選ばれているので、騒動を早く収めたいバッハ会長にもモノが言える立場。今、IOCは選手の反乱を一番恐れています」

今後、ウィッケンハイザー氏に追随する選手が現れたら…。進退問題で揺れる森会長はいよいよ窮地に追いやられることになりそうだ。

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