宇久メガソーラー 作業員宿舎敷地の許可返上 年度内着工の見通し立たず

 長崎県佐世保市宇久島での大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設計画で、九電工(福岡市)などでつくる事業者は、作業員宿舎を建設するために佐世保市教委から取得した公園敷地の使用許可を5日までに返上した。新型コロナの影響で「(予定していた)年度内の本格着工の見通しが立たなくなったため」としている。
 事業者は千人規模の作業員宿舎を建設する目的で、昨年2月に市教委から宇久町総合公園敷地約2ヘクタールの使用許可を受けた。同社によると、新型コロナの影響で離島への渡航自粛が求められ、準備作業が遅延。公園の使用期間は3月まで残っていたが、着工の見通しが立たないため、1月に土地の使用権利を市教委へ返した。
 同社は「2023年に売電を始める予定は変えない」としている。
 作業員宿舎の建設を巡っては、島の元区長が「公園の使用許可をする理由がない」などとして市に行政不服審査を請求。市は審理手続きを終え、今後、裁決書をまとめるとしている。

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