16歳・赤江夏星が五輪銀メダリストに金星 「良い勝負するだけじゃダメ」指揮官のゲキに応える

<卓球・ノジマTリーグ2020-2021シーズン 2月7日(日)>

7日、卓球Tリーグ女子では1試合が行われた。

1位の日本生命レッドエルフと4位のトップおとめピンポンズ名古屋の組み合わせで行われ、日本生命がマッチカウント3-1で勝利した。なお、2位の木下アビエル神奈川と1位の日本生命レッドエルフはすでにプレーオフファイナルへの進出が決定している。

“試合をしてても元気を貰える”チーム力で接戦を制した

写真:前田美優・平野美宇ペア(日本生命レッドエルフ)/提供:©T.LEAGUE

第1マッチのダブルスでは、前田美優/平野美宇ペア(日本生命レッドエルフ)が鈴木李茄・安藤みなみペア(トップおとめピンポンズ名古屋)との激戦を2-1で制した。第2マッチでは16歳の赤江夏星(日本生命レッドエルフ)がリオ五輪女子団体銀メダリストのハン・イン(トップおとめピンポンズ名古屋)と大熱戦を繰り広げ、3-2で勝利した。

第3マッチで森さくら(日本生命レッドエルフ)が安藤みなみ(トップおとめピンポンズ名古屋)に2-3で敗れるも、第4マッチで平野美宇(日本生命レッドエルフ)がリン・イエ(トップおとめピンポンズ名古屋)に3-0で勝利した。

この結果、日本生命は勝ち点3を獲得し、1位に浮上した。試合後の選手・監督のコメントは以下の通り。

赤江夏星(日本生命レッドエルフ)コメント

写真:赤江夏星(日本生命レッドエルフ)/提供:©T.LEAGUE

試合を振り返って

1ゲーム目は回転をわかってないのに打ちすぎてミスして簡単に取られた。2ゲーム目入る前にベンチで村上監督に「良い勝負するだけじゃダメ、勝つ気持ちがないとダメ」と言われた。2ゲーム目からミスを減らして粘る気持ちでやったが取られた。

そこで3ゲーム目からはスマッシュを取り入れた。前回当たった後にスマッシュ練習をしていたので、高く来た球はスマッシュでミドルを狙っていった。

前回はいい勝負でも勝つことはできなくて、今回も0-2になった。今回逆転でリベンジすることができて嬉しかった。

マッチポイントを握って緊張した様子が見えたが

2-2の10-7リード。全日本で2-1の10-7から逆転負けをしていて、それが頭によぎって心配になった。でも大丈夫と自分に言い聞かせて、最後の1点を勝ち取った。勝ち取ったときはホッとしたというよりも嬉しさの方が勝った。

ファイナルに向けて

チームとして3連覇が目標。もしベンチに入ったら選手のサポート、もし出るとなったら自分の実力を精一杯発揮してチームに貢献したい。

平野美宇(日本生命レッドエルフ)コメント

写真:平野美宇(日本生命レッドエルフ)/提供:©T.LEAGUE

試合を振り返って

ダブルスでは前田選手と後半たくさん組ませてもらって、だんだんとよくなっている実感がある。勝てて良かった。

今回の3連戦は、ダブルスもシングルスも全部勝てて6勝できた。前週と比べると自分の中でも良くなっている。

チームの雰囲気

日本生命レッドエルフはすごく明るいチームで、試合をしてても元気を貰える。それを皆さんに見てもらえてよかった。

有観客でお客さんに見てもらえてうれしかった。もっともっといい試合ができるように頑張ります。応援してくださるとうれしいです。

村上恭和総監督(日本生命レッドエルフ)コメント

赤江夏星について

赤江が相手のエース、ハンイン選手に勝てて良かった。前回の対戦で1ゲームとって、次はハンイン選手に勝てると思っていました。必ずハンイン選手に当たるからと言って、対策練習してきました。それが活きていた。

平野美宇について

当初は試合勘がなかったが、今はサーブレシーブのコンビネーションも良く、慌てることもなく、平野の持ち味を出している。

ファイナルが決まったことについて

最終的には「ファイナルで3連覇しよう」という合言葉でやっている。ファイナルに進めることが確実になってみんなも喜んでいる。2/27の(ファイナルの)オーダーをイメージして準備したい。

次戦は2/19に立川で木下さんとやる。(怪我人もいるので)間隔があるのは良い。(ファイナルは)初めてベストメンバーで臨めるんじゃないか。

安藤みなみ(トップおとめピンポンズ名古屋)コメント

写真:安藤みなみ(トップおとめピンポンズ名古屋)/提供:©T.LEAGUE

試合を振り返って

ダブルスは、出足から点数を離されてしまって、3ゲーム目も良くない入りだった。シングルスでは3-2で勝つことができたが、1,2ゲーム目はリードしていての逆転で自信がなくなっていた。3ゲーム目からはリードしてて逆転されても良いという気持ちで戦えたのが良かった。

前日の試合との違い

前日よりも今回はお客さんにたくさん入っていただいていて、緊張すると思ったが、昨日よりも落ち着いて試合に入ることができた。

シングルスのポイント

1,2ゲーム目は自分のプレーをしようと打ったり緩急をつけたりしていたが、サーブに意識がいっていたなかった。サーブを出していないコースにどんどん出していこうと、3ゲーム目からサーブを散りばめていこうと思いました。

5ゲーム目6-6でレシーブからだった。バックにロング来て持ち上げたら狙われると思ったので、入っても入らなくても思い切り打とうと思ったら入った。そのあと崩れてしまったが、レシーブはなるべくミスしないようにコースを考えてプレーしていました。

得た手応え

試合をしている中で、3ゲーム目から悪い流れの中で立て直して追いついたのは自分にとってプラスになる試合だったと思います。

藤川英雄監督(トップおとめピンポンズ名古屋)コメント

試合総括

ダブルスから4番まで接戦が続いた。ずっとこういう流れだがここ1つ取り切れなかった。

安藤みなみについて

持ち味の小気味良い卓球や見ていてすごい動きだなというプレーが要所要所で出てくるようになって、本来の持ち味が出きていた。

相手にサーブが通用するというのがこの2試合で証明できた。本人にとっては手応えもあったのでは。

ホームでの有観客試合

昨シーズンだと全部観客が入って、観客との距離が近くて言葉を交わせたが、今季はこの2試合だけが有観客。もっと良い姿をお客様に見てほしかった。

お客様との交流や、卓球をもっと知ってもらうためのTリーグなので役目を果たしていきたいというのが本心。プラス、選手には良い成績を残してもらいたいので、そのための環境づくりをしていきたいという思いをより一層強く感じている。

日本生命レッドエルフ 3-1 トップおとめピンポンズ名古屋

写真:日本生命レッドエルフ/提供:©T.LEAGUE

〇平野美宇/前田美優 2-1 安藤みなみ/鈴木李茄
11-6/4-11/11-8

〇赤江夏星 3-2 ハン・イン
5-11/10-11/11-7/11-9/11-9

森さくら 2-3 〇安藤みなみ
11-9/11-9/10-11/10-11/12-14

〇平野美宇 3-0 リン・イエ
11-7/11-6/11-5

文:ラリーズ編集部

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