森喜朗会長の女性蔑視発言 「日本社会の膿を世界に発信してくれた」 県内女性議員らが抗議デモ 神奈川

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言に抗議する西湘地域の女性議員ら=JR小田原駅前

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言を巡り、神奈川県内の女性議員有志らが7日、JR小田原駅周辺で抗議デモを行った。男性優位の地方議会で「わきまえることを強いられ、女性は発言しづらい」と共通の思いを抱く女性議員たち。辞任しない森氏や組織委の姿勢に「五輪と女性の人権。どちらが大切なのか」「私たちは黙らない」などと怒りをぶつけた。

 西湘地域の女性議員らでつくる「あしがら女子会」が呼び掛け、2市9町の女性議員約20人がリレー方式でマイクを握った。加藤久美中井町議が「(森会長の発言は)日本の社会構造にある問題。声を上げなければ同じことが繰り返される」と発起人となった。

 会議で発言を控える女性を「わきまえている」とした森氏に、定数16のうち女性議員が4人の南足柄市議会の綱島麻実市議は「(女性が発言すれば)うっとうしがられ敵視される。わきまえざるを得ないのが今の日本社会。怒りだけでなく自分のふがいなさも感じた」と悔しさをにじませた。

 9期務める山田和江箱根町議は「初当選した当時、町に乳児保育を行うよう議会で求めたら男性議員から『子どもなんか産むな』と言われた」と振り返った。露木佳代二宮町議も「多くの女性議員が経験してきたこと。日本社会の膿(うみ)を森会長が世界に発信してくれた」と皮肉った。

 小田原市選出の佐々木ナオミ県議は「男性社会の中でくやしい思いもしてきた。女性の代表者をばかにする風土を変えていけなければ」と怒り、県内で唯一、男女同数の大磯町議会の鈴木京子町議は「男だから女だからという枕ことばはもうやめるべき」と呼び掛けた。

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