最近、爬虫類をペットにする一人暮らしの爬虫類女子が増えているそうです。
これまで「キモイ〜」と敬遠され続けてきたヘビやトカゲが、いつしか「カワイイ〜」ともてはやされるように。爬虫類さんサイドも「ついに俺らの時代がきたか」と、胸を熱くしていることでしょう。
しかしなぜ、爬虫類は女性をそこまで夢中にさせるのか。
その真相を確かめに金沢片町にある爬虫類バー『LIRIO』を訪ねてみました。
初恋の相手はイグアナでした。
雰囲気はおしゃれなバー。清潔感もあって、居心地が良さそうです。ほかのバーと違うのは、爬虫類が入った飼育ケースが並んでいることくらい。イヤな臭いもありません。
バーを経営するのは綿谷友里江さん。画像で見たイグアナにひと目惚れしたのが８年前。県外の爬虫類カフェに通っているうちに「北陸にもコアな愛好家が集まる場所が欲しい」と思い始め、2017年に北陸初の爬虫類バー『LIRIO』を開業しました。
ちなみに爬虫類好きで知られるプロレスラーの関札皓太選手も、お忍びで遊びにきたことがあるんだとか。
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ーーはじまめして！すごくたくさんいますね。
綿谷さん：そうなんですよ〜。最初は２匹だったのがどんどん増えて、ヘビやトカゲ、カエルやカメも合わせると30匹くらいかな。
ーー30匹！ちょっとした博物館ですね。
綿谷さん：お店をやり始めてから一気に増えました。管理もしやすいので。
ーー爬虫類のどんなところが好きなんですか？
綿谷さん：ルックスです。
ーーと、いいますと？
綿谷さん：たとえばイグアナでいうと、鱗（うろこ）や色の美しさが神秘的だったり。親バカなので、うちの子たちが一番美しくてかわいいと思っています（笑）。
ーールックス以外の魅力はありますか？
綿谷さん：いい意味で人に懐かないというか。環境の変化に弱い生き物なので、体調によってはえさを食べなかったり排泄をしないことがよくあるんです。
ーーそうなんですか。
綿谷さん：食事や排泄が当たり前ではないからこそ、ちゃんとしてくれたときは「よくできました！」って拍手をするくらい、愛情の注ぎがいがあるんですよね。
ーーなるほど。ということは恋愛でも、世話がやけたり、簡単に振り向いてくれない人ほど気になったり。
綿谷さん：まったく無いですね（笑）。爬虫類系の顔が好きなの？ってよく聞かれるけど、それもないです。
ーーはじめて飼った爬虫類はなんですか？
綿谷さん：コーンスネイクとヒョウモントカゲモドキです。爬虫類の中では比較的飼育しやすい部位類で、何千体と爬虫類が集まるイベントで購入しました。
ーー飼ってみてどうでしたか？
綿谷さん：２匹とも赤ちゃんだったのでちゃんと飼育できるか不安だったけど、今も元気に暮らしていますよ。
本来は、爬虫類とのふれあいができるそうですが、現在はコロナウイルス感染拡大防止のためお休み中。その代わりといってはなんですが、餌やり（500円）にチャレンジしてみました。
爬虫類を飼うと〇〇代がかかる？
ーーちなみに爬虫類の寿命ってどれくらいですか？
綿谷さん：う〜ん、種類にもよるんですけど、たとえばヒョウモントカゲモドキの平均寿命は15年といわれています。
ーー結構、長生きなんですね。
綿谷さん：ただ、それもしっかりと健康管理をした上での話で、飼育環境が悪いとすぐに弱ってしまいます。
ーーよく、爬虫類は「散歩とかしなくていいから楽」みたいな話を聞くけど、そんなに簡単じゃなさそうですね。
綿谷さん：爬虫類は変温動物。飼育する温度や湿度が直接、生態の健康に影響を与えます。とくに季節の変わり目は体調を崩しやすいので要注意。24時間365日、エアコンやパネルヒーター、加湿器などで、室温や湿度を一定に保つ必要があるんです。
ーー電気代が心配です。
綿谷さん：私自身、今の電気代は４〜５千円。でも、この子たちを家で飼育することになったら、２万円は余裕で超えると思います。
ーー倍以上ですね…。
綿谷さん：なので、お客さんから爬虫類を飼いたいと相談されたときには「電気代が高くなることは覚悟してね」と伝えるようにしています。それさえクリアできれば、あとは自分が飼いたい爬虫類の勉強をしっかりするだけで、そんなに飼育は難しくないと思いますよ。
そんな爬虫類バー『LIRIO』では、爬虫類たちが暮らす様子をYouTube Liveで配信中。きっと彼たち彼女たちが、一人暮らしの寂しい夜を癒してくれるはずです。
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はちゅうるいばー LIRIO
石川県金沢市片町2-21-18 The ARCHIPELAGO Katamachi 4F
TEL.076-255-3747
営業時間／20:00～翌1:00
定休日／不定休
席数／カウンター６席、テーブル４席
駐車場／近隣にコインパーキングあり
※こちらの情報は取材時点のものです。
（取材・文／吉岡大輔、撮影／林 賢一郎）
