大谷、鈴木誠らと同じ「1994年世代」 ロッテ松田が3年目にかける思い

ロッテ・松田進【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

2年ぶり1軍キャンプスタート「充実した日々を送れている」

3年目を迎えたロッテの松田進内野手はここまでの沖縄・石垣島での春季キャンプを振り返り、「例年に比べて練習量も増えていますし、充実した日々を送れているかなと思います」と満足した様子だった。練習では河野亮1軍打撃コーチと二人三脚で、持ち前の力強い打撃に磨きをかけている。

打撃では右肩が下がってしまう点を改善している。「バットとボールの接地がズレてしまうので、しっかりボールを掴みに行くような感覚でやっています」と現在の練習での意識を語った。

ルーキーイヤーの2019年は2軍で打率.216と苦しんだが、秋季キャンプから河野コーチとともに体の使い方、スイング軌道を重点的に見つめ直してきた。同年のウインターリーグでは打率.340、2本塁打、10打点をマーク。昨季のファームでの打率も.264まで上昇した。

「ウインターリーグで好調で、(昨年は)いけるかなと思っていたんですけどコンディション不良で出遅れて…。今季は勝負の年なので頑張っていきたい」と3年目にかける思いを語った。

同級生の広島・鈴木誠也は常に意識する存在

松田は大谷翔平投手、藤浪晋太郎投手らと同じ「1994年世代」。特に鈴木誠也外野手は、国学院久我山高時代に東京都選抜として一緒に米国遠征を経験したこともあり、常に意識してきた存在だった。

プロを志したのは大学時代。2つ上の先輩である島袋洋奨、福田将儀がドラフト指名を受けるのを目の前で見ていた時だった。「(2人は)東都でもかなり高いレベルでプレーされていた。そこでプロに行きたいと思いました」と明かした。

ところが、大学4年時のドラフトでは指名漏れ。「正直めちゃめちゃ悔しかったですし、社会人2年間で頑張ろうという気持ちになりました」と当時の心境を振り返った。

指名漏れを糧に、社会人からプロに入ろうと決意。自分に何が足りなかったのか自問自答し、レベルアップを重ねてきた。一発勝負の都市対抗で勝ち抜くために1球に対する執着心を磨き、プロの世界へと足を踏み入れた。

今年の1軍キャンプでは藤岡裕大、茶谷健太、福田光輝、ルーキーの小川龍成らとともに、遊撃をメインに内野のポジションを争う。

「正直ショートで勝負したいですけど、出られるならどこでもいいです。守備もレベルアップすべきだと思いますけど、自分はバッティングの面で使ってもらえるように」と力を込める。期待の大型内野手が1軍でアーチをかけるため、持ち前の長打力をアピールしていく。

○松田進(まつだ・しん)1994年8月29日、神奈川県川崎市出身。26歳。国学院久我山高では2年春に選抜に出場するも九州学院の前に初戦敗退。中大では3年春のリーグ戦で3本塁打を放つなど、大学4年間でベストナイン2度獲得。4年時は主将も務めた。HONDAを経て、2018年ドラフト会議でロッテから7位指名を受け入団。188センチ、93キロ。右投げ右打ち。(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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