埼玉・戸田市議会に誕生した異色市議のスーパークレイジー君(34)が初日から議会の〝洗礼〟を浴びた。
選挙の立候補名では芸能活動している際の「スーパークレイジー君」の通称が認められていたが、議会内での略称を巡って、「クレイジー君で」「いやスーパー君だ」「クレイジーとは、議会人としてどうなのか」「君付けだから柔らかい」とかんかんがくがくとなった。
スーパークレイジー君は西本誠の本名を封印し、選挙では通称で戦った。見事、当選したことで、議会でも「スーパークレイジー君」で登録されていたが、議会初日となった8日、議論となったのは「略称を何と呼ぶか」だ。
戸田市議会では、本会議や各委員会で議員の名前を呼ぶ際に苗字に「議員」「委員」を付けるのが慣例になっている。「スーパークレイジー君」では長いため、事務局側は略称として、「クレイジー君」を会派代表者会議の席で提案した。
スーパークレイジー君は「(クレイジー君で)分かってくれれば問題ない」と了承したが、野党系議員からは「姓と名で分ける場合、スーパークレイジー君はどこで分けたらいいのか。フルネームでいいのではないか?」との意見が出た。
すると年配議員からは「『クレイジー』というイメージが議会の中で活動していくにあたって、どうなのか」と発言。これには「クレイジー君」の名前自体に〝物言い〟がついた形となって、緊張が走ったが、「クレイジー君よりスーパー君の方がいいのでは?」との提案だった。
議論が白熱する中、中堅議員は「いきなり『クレイジー』じゃなく、『スーパー』が頭につく『スーパークレイジー君』とした方が薄まっていいのではないか」とフルネーム派が押し返す。
そこに別の年配議員が「『クレイジー』という言葉自体が教育上どうなのかで、意見が出ているが、『君』というのがあるので、すごく柔らかい。『スーパークレイジー君』の方が柔らかみがあるのかな」とフルネーム派が大勢を占めた。
最後はスーパークレイジー君の意見が尊重され、市議会では「スーパー君」や「クレイジー君」と略さないで「スーパークレイジー君」議員もしくは委員と呼ばれることで決定した。
いきなりの論戦に驚き気味だったスーパークレイジー君だが、「ふざけてると思われるのだけが嫌なんで、周りもスーパークレイジー君でいいんじゃないかとなった」とひと安心だった。