NFLスーパーボウル制覇の立役者はWWEのベルトも手にした超人

WWEのベルトも手にした超人・グロンコウスキー。右はMVPのブレイディ(ロイター)

7日(日本時間8日)に行われた米プロフットボールNFLの王者を決めるスーパーボウルは、タンパベイ・バッカニアーズがカンザスシティー・チーフスに31―9で勝ち、18季ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。今季ニューイングランド・ペイトリオッツから移籍したQBトム・ブレイディ(43)が3本のタッチダウン(TD)パスを成功させて自身7度目の頂点に立ち、5度目のMVPも獲得したが、その〝相棒〟の存在も大きかった。

3本のTDパスのうち、前半に2本をキャッチしたTEロブ・グロンコウスキー(31)はペイトリオッツ時代にブレイディとともにプレーし、2度スーパーボウルを制覇。2018年シーズン終了後に現役引退を発表し、その後は解説者として活動していたが、昨年4月、世界最大のプロレス団体「WWE」の祭典「レッスルマニア36」のリングに上がり、歴史的プロレス初戴冠という偉業も成し遂げ、話題を集めた。

もともとは大会のホストという立場で解説も務めていたが、目の前で「24/7王者」のモジョ・ローリー(34)を十数人のレスラーが追いかけるという騒動が勃発。これに加わった198センチ、111キロのグロンコウスキーがベルトに群がるレスラーをまとめて圧殺し、モジョから3カウントを奪って新王者に輝いた。

フットボーラーとして現役復帰を決めたのはその直後。引退も取り沙汰されていたブレイディがバッカニアーズへの移籍を決断したタイミングだった。グロンコウスキーの保有権を持つペイトリオッツとバッカニアーズの間でドラフト指名権とのトレードが成立したことで、再びブレイディとのホットラインが築かれることとなった。

ちなみに、現役王者のままNFL復帰を決めたことで「24/7王座」は保持したままだったが、その1か月後の7月、マサチューセッツ州の自宅前で、庭師に扮装したR・トゥルース(49)に急襲されて王座を失っている。

紆余曲折を経て再びつかんだ栄光。幅広い活躍を続けてきた超人グロンコウスキーにとって、3度目のスーパーボウル制覇は過去の2回より感慨深いものがあるに違いない。

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