高い表彰台登壇率を誇るふたりのライダーと安定感のあるマシンが大きな強み/2021年MotoGPクラス展望 スズキ編

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 2020年シーズンにMotoGPクラスのライダーズ・チームタイトルを制したスズキ。MotoGPクラスでは2012年から2014年までの参戦中断期間がありながら、その間にGSX-RRを開発し、MotoGPクラス復帰6シーズン目で見事にチャンピオンに輝いた。

 GSX-RRは非常にバランスのよいマシンに仕上げられており、開発初期からのマシンコンセプトが正しかったことを証明した。2020年はシーズン序盤こそ思うような結果が残らなかったが、中盤以降はコンスタントに表彰台争いに加わり、ふたりのライダーで2勝、通算11回の表彰台に立つ好成績を収めた。

 2021年のチーム体制も、ディフェンディングチャンピオンとして臨むジョアン・ミル、2020年の再開第1戦で怪我を負いながら、怪我からの回復と共に本来の走りを取り戻したアレックス・リンスというライダーのラインナップには変わりはない。ふたりとも、2020年は勝利を記録し、高い表彰台登壇率を誇り、それが2020年のチームタイトル獲得にも表れている。スズキはファクトリーのみの2台体制だったこともあり、惜しくもコンストラクターズタイトルこそ逃したが、2021年は3冠獲得が目標となる。

2020年MotoGP第11戦アラゴンGP アレックス・リンス、ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)

 2021年はエンジン開発が凍結(エンジンの封印されている部分は変更不可)となり、マシンの改良はエンジン関連の補器類、車体のみとなる。これまでもGSX-RRは着実な熟成を図ってきており、特に2019年モデル以降はMotoGPマシンの中でも一番バランスのよいマシンに仕上がっている。2020年は予選ポール獲得こそないものの、それも一発の速さをねらうだけでなく、決勝でのアベレージを重視したレース戦略を取っていたからであり、それが結果につながっている。

 2020年は王者マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が怪我で不在という状況だったが、2019年にリンスがマルケスとの一騎打ちに競り勝っているのも事実。マルケスの回復状況次第だが、ミルとリンスは、マルケスを相手にしてもいい勝負ができるライダーに成長している。

 MotoGPマシンが1000cc規定になって以降、共通ECUの採用、エンジン開発の凍結、年間エンジン使用基数の制限などにより、メーカー間のマシン差は着実に縮まっている。マシンのトップスピードこそドゥカティが一歩抜け出ているものの、それがそのまま結果につながらないところがMotoGPクラスの興味深いところ。バランスよく、コースに関わらず安定した走りができるマシン造り、そして、タイヤのパフォーマンスをうまく引き出すセットアップができたのが2020年のスズキチームだったと言えるだろう。そして、2021年もそれは継続されるはずだ。

 なお、チームの体制発表は2月12日(金)の予定だ。

ジョアン・ミルのチャンピオン獲得に沸くチーム・スズキ・エクスターのメンバーたち